2015年04月28日

第26回 きたなか林間学校活動 速報!

 一昨日の4月26日(日)午後3時過ぎに、第26回の林間学校を終えました。最終的にはいつもの通り、記録書を出版いたしますが、取り急ぎ、速報をお伝えいたします。

 第26回目となる「春のきたなか林間学校」が、終了しました。今回のテーマは、「日本の自然・文化で育つやさしい心」でした。今回は特に、稲の苗づくりに焦点を合わせました。
「百姓は百の技をがいる」とか、「米という字は八十八の手間がかかる意味」などと言われています。農業は稲作だけではありませんが、日本人の主食であるご飯になるお米が、どのようにして育てられるのか、農薬や化学肥料をかけずにはどのような注意が必要なのかを、林間学校を通して学習することにしました。
かつて熊本県人吉市矢岳町で無農薬の稲作を3年したことがあります。沖縄に来ても稲作を一度しました。しかし、いづれもいただいた苗を田植えするところからの経験でした。

 「田づくりより、畔(あぜ)づくり」
以前はかつて田んぼだった休耕田をお借りしたので、畔はありました。近くの湧き水を引き込みますが、冷たすぎるので別な畔を通したあと、田んぼに入る工夫がされていました。
水稲の場合、溜めた水が畔から抜けたら稲は育ちません。畔が崩れないようしっかり畔作りをします。また、畔をネズミやモグラから守るための畔づくりは重要なお百姓の仕事のひとつです。土壌が豊かだとその分、ミミズなどの土中の小動物が生息します。これを食べにモグラが来て畔に穴をあけるのを監視したり、曼珠沙華(彼岸花)を植えて忌避させる日本人の知恵もあります。

 「苗半作」
 また、苗は田植えするまで丈夫に育たなければなりません。その後の成長に大きな影響を与えるからです。なんとなく、人間の子育てに似ていると思います。
 昔から「苗半作」といって、苗がうまくできると、作物の半分はできたも同然という意味。とくに、この苗床づくりには神経を使いました。

 以下に、林間学校の苗床づくりを中心に速報をお伝えいたします。(場所の関係で、活動の時間帯が順番と前後しているところがあります)

1 塩水.JPG


2 浸水.JPG


【塩水に浸けて中身の入った重い種もみを選別します。(塩水選)塩水の比重は1.13くらい(1.07〜1.17の間)。生まれたばかりの烏骨鶏(うこっけい)の卵を使い、約55度傾くくらいに浮いた状態で選別。阿蘇から届いた無農薬米の種もみでは、ほとんど沈みました。立派な種もみです。】

3 58度のお湯.JPG


7 天日干し.JPG


【塩分を取り除くために水洗いをしたのち、約60度のお湯に種もみを入れ消毒します。その後、冷たい水で冷やします。その後、濡れた種もみを天日で乾燥させます】

6-1胚芽.JPG


【種もみのアップ。4日間25度の真水につけておいた種もみ。ふっくらと鳩胸のように膨らみました。白い突起物が見えます。葉の芽と根の芽です。発芽の前兆です。】

卵呑み.JPG


【ちょっといっぷく1;塩分濃度に使った卵にひびが入ったため、急きょ、卵を食べることに・・・。「いただきまーす!」感想は?「命いただきました!おいしかったです」・・・その後、彼は一層元気になりました。】

9 ふるい.JPG


8  ふるい分け後.JPG


11 水かけ.JPG


12 覆土.JPG


【苗床づくり:4ミリ目の網でふるいます。ふるわれた赤土(島尻マージ)を苗床箱に入れ、ならします。そのあと水を十分与え、種もみをまき、上から覆土(ふくど)を軽くかけました。】

13 小屋入れ.JPG


 【あらかじめ作っておいた苗床(なえしろ)小屋に運び入れます。】

17 囲い.JPG


【アヒルが入らぬよう、野鳥が食べに来ないよう、そして急激に明るくならないよう配慮した苗床小屋】

14小屋出し.JPG


【4日前入れていた苗床を取出し。そこには、しっかりと土に根付き、天を仰ぐ芽が勢いよく出ていました。心がキュンとなりました。】

4月28日露.JPG


【最新情報;今日(4月28日午前10時時点の苗の様子です。露をいっぱいつけたみずみずしい稲が見事に育ち始めました。】

 以上が、苗床関係の写真ですが、やっぱり百の技、百の苦労があると思いました。これからも大変ですが、自然の恵みをいっぱいいただきながら、自然の猛威とも共存する無農薬米を猫の額ほど田んぼで実験したいと思っています。

 その他の活動を、写真で紹介します。

エサ上げ.JPG


【エサ上げ。後藤家の日課。人間より先に飼っている生きものにエサを上げる。言葉が通じなくても、気持ちをつなげるのが目的】

エサ運び.JPG


【馬のエサになる草を刈ったあと、かまどにする石を拾ってリヤカーで運びました。】

「アヒルの誕生」.JPG


【エサ上げの時、偶然にもアヒルの卵が孵(かえ)りました。まだ濡れていたので、孵化直後です。】

裏山の竹.JPG


【裏の畑にある竹。さまざまなものに使うために切りました。「ごめんなさい」と声かけて・・・】

竹きり.JPG


竹のコップ.JPG


【竹を切って、まずは自分のコップを自由に作る。「日本のノコギリは引く時に切れるよ!体の中心がノコギリの中心。」だれかが「かぐや姫がいるかも・・・」。竹の中はそのくらい神聖なところでした!竹の水を飲んだ感想を聞いたら「自然の味がした」と言っている子がいました。】

たい肥入れ.JPG


【田んぼに馬ふんのたい肥を運び入れる。バケツリレーで声掛けあって・・・】

冷やしうどん.JPG


【昼食は冷やしうどん。作ったマイ竹コップ、マイはし、竹の皿を使っていただきます。非常のときは、あるものを生かすしかないことを覚えます。】

クワの実.JPG


【ちょっといっっぷく2;休憩時間に桑の実を採って食べる子どもたち。危険と楽しみは隣り合わせ。】

葉ガマ.JPG


【夜は石のかまどに山から拾ってきた古木などをタキギにして火をおこし、ご飯はハガマ、汁物はシンメ―ナーベを使って煮炊きをしました。火吹き棒はもちろん竹筒。】

桜餅.JPG


【ちょっといっぷく3;桜もち。敷地内に育つ桜の葉をいただいて「桜もち」をたべました。】

野草教室.JPG


【野草教室;敷地の周りで学習。そのうち野草てんぷらに使わせてもらった草は、クワの葉、オオバコ、セリ、アワユキセンダングサ、ムラサキカタバミの花、ヨモギなどです。】

竹のコップ.JPG


【自然とともにある日本の生活文化を今後も取り入れ、相手を思いやる心が稲の苗のように育てば幸いです。】

曼珠沙華.JPG


【付録;曼珠沙華(まんじゅしゃげ)の球根を畔(あぜ)植える子どもたち。】

【畔は道のはじまり。道路のミチのチは漢語の「路」に発語の「ミ」が加わったもの。道と町は同じルーツ。町は間路(まち)の義で田間の路は畦畔(あぜくろ)のこと。間路(まち)は無主の通路で現代の道路につながります町(まち)はその後「市」(いち)につながります。無主の通路に咲く彼岸花の球根には毒があるのでモグラが寄り付きません。また、年数回の草刈りの時には球根のままで栄養を取り、稲刈り前の最後の畔の草刈りが終わるころ、花を咲かせます。葉と花の時期がまったく重ならないため「葉知らず、花知らず」といわれる不思議な花です。今年の秋に、曼珠沙華の花をつけた畔を見たいものです。】

posted by 塾長 at 21:38| 林間学校