2015年08月11日

第27回きたなか林間学校 速報!

 平成27年8月8日から始めた第27回きたなか林間学校を昨日(10日)、無事終了しました。記録書の発刊まで時間を要しますので、速報にて活動概要を報告いたします。詳細は、年度末に発刊予定の記録書に掲載いたします。

 さて、今回も「活動は生活の延長」といえども、さまざまな出来事がありました。言い変えれば、それほど我が家は多様で変化に富む刺激的な暮らしなのかも知れません。
 今回は「自然から学ぶ節度・ふん別・おもいやり」〜戦後おいてけぼりにされた人格教育〜、がテーマでした。

 早朝講話、最終講話で強調したのは、戦後の日本人が忘れかけたおもいやりの取戻し。自由をはき違え、権利主張がはびこる現代は、自己中心、人間中心のわがままな社会に変貌しています。虐待やいじめをはじめ、想像を絶する悲惨な事件が毎日のように報道され、感覚がマヒして驚きが鈍るほど増えました。
 原因は、思いやりや節度・ふんべつの気持ちが薄れたことだと思っています。裏には戦後、おいてけぼりにされた人格・道徳教育があります。日本は防衛力をかつての敵であったアメリカに依存し、ひたすら戦後復興・経済成長にまい進しました。しかし、快適便利な暮らしを享受した一方で、心の空洞化が進み、日本人なら持ち合せていたわび、さび、しぶさ、おもいやりなどがすたれました。
 
 合理性を追求するようになった日本社会では、社会的弱者への対応や環境保全など法律的には充足したかのように映りますが、心は遠く離れている気がします。
 そこで、今回は日本の歴史や自然を通して、日本人を俯瞰し、悲惨な事件・自然災害への対応などの対応に周りの「自然」を取り入れることを提案しました。

なぜなら、「自然」の営みの中に、現代病を治す答えが(薬)があるからです。以下は、その活動内容です。

【初日】

歓迎の歌.JPG


【釘一本使わない伝統建築の家で家庭の延長として活動開始。まずは受け入れる後藤家の子どもたちとの交流。自己紹介のあと、家族同様の動物たちを♪森の音楽会♪で紹介。8人の子どものうち7名参加して、ニワトリやアヒル、馬、キジ、ヤギ、カエル、番犬(担当は1歳半のこだまこでしたが、これは不発)の鳴き声を入れた歌で歓迎しました。】

竹コップ完成。かんぱーい.JPG


【最終日まで使うマイコップをモウソウチクで作りました。全員が完成したあと冷水を入れて「カンパーイ!」まだ緊張感は残っていますが、達成感もあるようで、乾いたのどは竹の香りのする水で潤ったようです。この時、ソウメン流し用の竹樋や箸、名札、たかんぽ(竹の飯ごう)も作りました。ノコギリや小刀、ナタ、キリなどの鋭利な刃物も使いました。大人になるまで経験しておく要素のひとつです。】
火吹き.JPG


【かまどづくりと火吹き。非常の際はるものを生かすしかありません。かまどは拾ってきた石。タキギは森の中や建築廃材。たきつけは新聞紙10枚。雨が降っても火を絶やさないのが原則。空気(酸素)を送る火吹き棒も竹で作りました。竹の中の水がこぼれないよう、石が安定するようセットします。大きな石だけは石橋も石垣も作れない話をし、かまどの石の周りも小さな石や土を組み合わせました。人間社会も同じです。】

たかんぽご飯.JPG


【約1時間。竹の中のお米がご飯になるまでには、火加減が大切。強すぎても弱くてもできません。コップも飯ごうもみんな生きた竹。竹を思う気持ちを大事にし、感謝する心。。「モノにも命あり」。電気釜のスイッチオンとは違います。3つの飯ごうのなかは竹の香りのするご飯に変わっていました。大成功!煙に巻かれて苦労した夕食作り。その分、「おいしかった!」。】

【二日目】

早朝講話.JPG


【午前5時30分、起床。早朝講話。外は昨夜から雨。雨の大事さ、自然に逆らわない生き方、自然の恵みと脅威は紙一重(火山の爆発と温泉、眺望の良さとがけ崩れなど)、地震、大雨、台風、津波などの自然現象には必ず前兆があること(それに気づく感性を養うこと)などを話しました。】
洗たく場に向かう.JPG


【そのあと、雨の中、平成の名水百選のひとつ、タチガーで洗たくするためヤギや馬、番犬と一緒に出掛ける。】

野性の本性.JPG


【手綱(たづな)を放すと、牧場の中を全力で走り回るゲン。野生味の一端を見る。馬には馬の、アヒルにはアヒルの世界があることを知ります。】

水神さんを拝む.JPG


【下流や洗たくするすぐ下の人に配慮して水を使う日本の水文化を紹介。特に田んぼにひく水はみんなが使って回すため汚さない暗黙のルールがあることを話しました(おもいやりの気持ち)。すぐ近くに我田引水の田んぼがあって、かえって話しやすかった?また、洗たく場のわきに建立したお地蔵さん(水神さん)にきれいな水がで続きますようお祈りもしました。】

洗たく1.JPG


【協力して「絞る」。電気洗たくではない苦労と楽しさに加え、協力することの大切さを学びます。】

天然水を飲む.JPG


【天然水を飲む。カルキ(塩素)消毒していないため、水道水と違う味。「おいしーい」】

せんたくもの干し.JPG


【宿舎に帰ったら、さっそく洗たくものを自分で干します。】

馬ふん運び2.JPG


【動物たちへのエサ上げのあと、馬ふんのたい肥作り。与那国馬のゲンのフンをたい肥小屋に持ち出します。「くさくなーい!」(草しか食べさせてないからね)なぜ、化学肥料が川や海を汚染するか、たい肥は効き目は遅いが環境を悪化させないのかお話をしました。】

バケツリレー.JPG


【馬ふんのバケツリレー。ここでも相手を思いやる気持ちを話しました。返事や掛け声もだんだんはっきりしてきました。協力のおかげで通常の半分の速さで片づけてしまいました。これには脱帽!バケツリレーは火事の初期消火にも活かせます。】

素麺流し.JPG


【昼ごはんは自分たちで割り、節を取った竹の樋(とい)を使ってソーメン流し。坂の勾配に沿って流しました。ここでも下流の子を配慮した思いやりや、腹八分目の節度、ふんべつを学んだと思いました。】

バッタが3匹.JPG


バッタ.JPG


【草の玩具づくり。近くにあったクロツグの葉を使って、バッタを作ります。このような素朴な地域文化は、きっと海外に行って何気なく作って見せたら、外国人は日本の文化に目を見張ることでしょう。】

クワの実.JPG


【合間を縫って子どもの一部は屋根の上に登り、クワの実をゲット。みんなの分も採ってくれました。鳥の分は残しました。これも野生動物への思いやり。】

リレー.JPG


【「ぬちゆるやー一周リレー」。自宅兼環境教育施設「ぬちゆるやー」の周りの道、約800メートルを6人のメンバーで走りつなぐリレー。バトンは火吹きの竹。男組、女組、後藤家それぞれ6名、計18名が参加。どのグループにも1年生や2年生がいます。教えたのは「思いやり」。決まった距離でバトンを渡さず、能力に合わせてバトン位置は異なっていい。登りも下りもある。作戦会議のあとスタート!】

バンザイ.JPG


【競争もたまには必要。しかし、結果はどうでも良かった。(接戦の末、後藤家・男組・女組の順でゴール。やりたかったリレー(起伏のある山道を走るクロスカントリーに近い)をケガなく終えてみんなで「万歳!」。ところが学校では教えないのか、参加した子どもたちは「負けましたー」のサイン。万歳は「気を付け」の姿勢からそのまま両手を上げるの正式な形です。改めて「バンザーイ!】

ブランコ.JPG


【自由時間。木に掛けたロープでブランコ。】

塩水分け.JPG


【阿蘇産コシヒカリの完全無農薬の種籾(タネもみ)を塩水に入れて分けてます。実が詰まっている種籾は沈みます。沈んだ籾種を水洗いし、60度のお湯に5分間ほど浸けた後、冷水に浸します。本日はここまで。今日(12日)わずかながら芽と根が出てきています。そろったら苗床に移す予定です。】

野草教室.JPG


【ぬちゆるやーの周りでの野草教室。まず、野草という名の草はない(みんな名前を持っている)こと、基本的には観察(採らない。食事用に採っても必要な分とし根は残す(節度・ふんべつ・種の保全)、人・馬・ニワトリ・アヒル・ウサギなどそれぞれにとって食べられる草、食べられない草の判別、薬になる草の種類などを学びました。観察した野草のうち、シマツユクサ・アワユキセンダングサ・オオタニワタリを天ぷらにしていただきました。(非常食の参考と生きている野草の命への感謝)】

【最終日】

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【前日と役割分担。この日は男組はニワトリ・アヒルへのエサ上げ。それぞれの動物たちの気持ちに沿って世話をします。】

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【中と外に分かれて掃除。「来た時よりも。美しくなりました。(心も・・・)】

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【発表会。発表能力も大切です。直前に「塾長講話」。2泊3日で一番印象に残ったことを上げてもらいました。煙に巻かれて頑張って作ったたかんぽご飯、野草教室、エサ上げ、クワの実採り、流しソーメン、コップづくり、ソーメン流し、リレー(?)など、感受性は子どもたちにとってそれぞれでした。ただ、共通して説いたのは、「思いやり」や「節度」でした。】

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【恒例の「エイ、エイ、オーッ!」。来たときの5倍は元気な声に変わっていました。】

 以上が、主な活動のご報告です。参加した人は分かっていますが、この間、迷い子猫事件やホームシック騒動など予定外のこともありました。しかし、迷い子猫を例にとって、「親離れ」・「子離れ」の話ができ、2〜3名のさみしがり屋さんは何とかハードルを越えました。誰でもいつかは親と離れて自立しなければなりません。いいきっかけになったと思います。

 人生の中で、「将来(今)、何をしたいのか!」、「自分は何ができるのか!」「そのために何が不足しているのか!」を自分自身に問うことが必ず出てきます。塾長講話の最後に子どもたちに言いました。「答え(ヒント)は自然の中にある!」と・・・。

 悩むことがあったら「それは自然か、不自然か?」、自分の考え方と自然に向き合うとおのずと答えは出てきます。なぜなら、人間も自然の一動物だからです。我が家では毎回の食事前には子どもたちが主導して計画や報告をする全員ミーティングを開きます。
 どうぞ、社会の最小単位である家族で会話を増やし、小さくても別人格を持つ子どもたちに責任ある行動をさせたうえで見守る寛大な子育てをされることを希望して、第27回のきたなか林間学校のまとめとします。
(急いでアップしましたので、誤字・脱字があると思いますが、ご了承願います)
posted by 塾長 at 12:11| 林間学校