2017年02月21日

「伝統建築『これから』研究会」の発足式!

2月11日、「伝統建築『これから』研究会」の発足式を行いました。

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【初会合には、設計・大工・教育などの立場から、建築士、大工技能士・職業訓練指導員・大学教授・国の重文・中村家の12代当主中村様などが参加されました。また、伝統的な技術で建てた家の施主(全国レベルのコンペで受賞した住まいに住む方々)もオブザーバーとして参加願いました。
伝統建築の課題と解決として、伝統建築の仕事をしたい、伝統建築のメンテナンス不足、住んでみてわかる長短所、後継者確保のための今後の対応などを話し合いました。
伝統構法の継承のため、各分野の情報を一元的にとらえた研究会を今後とも充実していきたいと思います。】

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【これまでの伝統的な建築の技術や意義をスライドで説明しました。】

研究会の立ち上げのきっかけは、先日、今回副会長になられた小橋川さんの来訪です。伝統建築の仕事をしたいが見つからず、インターネットで検索するうち私にたどりついたという訳です。

小橋川さんは私と同じ一級建築士ですが、「大工」が仕事の中心で、「一級大工技能士」であり、沖縄県の「ものづくりマイスター」にも登録されている方です。
話しを聞けば、県内の施工会社をあちこち当たったけれど、どこもいまいちで、カンナ掛けひとつまともにできない大工さんが多く、ほとんどがプレカット工場でできた加工材を現場で組み立てる方法だったそうです。

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【立派な仕事をするには立派な道具が必要。小橋川さんが持参されたのは名工・碓氷健吾氏(故人)とその弟子・ 船津 舟弘氏製作の鉋(かんな)。】


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【鉋(かんな)かけする小橋川さん。】

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【研究会の案内チラシの上に置くと、かんなくずから透けて字が見える。鉋屑とはいいがたい。まさに「芸術品」】

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【子どもたちも体験。鉋くずが出るたびに「お−ッ!」と声が上がる。周囲にヒバの香りが漂う。】

沖縄県も木造の住宅が増えつつありますが、そのほとんどは住宅メーカー製。手刻みによる木組みは限られています。

話木造建築を進化させることを目的とした活動を実践することになりました。話し合いの結果、伝統的な建築を次世代に伝えるため研究会を立ち上げ、後継者育成を念頭に沖縄にふさわしい

木造建築を進化させることを目的とした活動を実践することになりました。

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【表面がツルツルに仕上がったヒバの木。集成材や合板ばかりの現代の仕上げ材。けずればベニヤが現れる。伝統建築を残せば、道具も残せる。つまり、伝統的な建築の疲弊は、日本文化の衰退。】

伝統構法は乳児期、幼児期を含め、子育て環境にいい影響を及ぼす、循環する素材なので環境負荷は小さい、そして何といっても世界一の木の文化「これから」先の世代に伝える義務がある、との認識で一致しました。

「木の文化はすなわち、「日本の文化」でもあります。木の癖を見極め、適材適所に活かすことなどは、人間社会でも通用します。
また、相手が「命あるいキもの」なので、粗末にすることはなく、やさしく接することになります。

様々な利点があるにもかかわらず、伝統的な木造建築が敬遠されたのは、建築業界にも押し寄せた規格化・機械化・数値化の波でした。商品化された住宅は効率化のもと、低価格、工期短縮の憂き目にあい、現場からカンナやノミが消えていきました。

国の方針も影響がありました。昭和25年制定された建築基準法は自然の力に対抗する考えが底辺にあります。その後も高気密・高断熱の流れが住宅建設に取り入れられ、住まい手も自然からだんだん遠のいていきました。自然の恵みと脅威は表裏一体です。そんな自然をいいとこどりして、スイッチひとつで室内環境をコントロールするという人間中心主義が蔓延しています。もっと自然と共生し、自然から多くのことを学ぶべきだと思っています。

これまでの日本で培われた伝統技術にあぐらをかくことなく、さらに多くの分野の方々の意見や技術を取り入れながら、進化していこうと思っています。

来週土曜日11時より、国の文化財に指定された名護市の津嘉山酒造さんの見学会があるようです。この目で沖縄の伝統建築を見てこようと思っています。時間が取れる方は、どうぞご参加ください。

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【農業も然り。機械化・化学化で省力化されたが、日本の文化や自然環境の劣化が進んだ。さらには健康被害も危惧されている。今年も無農薬米の栽培がスタートしました。】

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【苗床に種もみをまく。】

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【しばらくは育苗箱で芽と根を伸ばします。田植えは今月末か?】


posted by 塾長 at 12:43| 建築