2017年02月26日

重要文化財・津嘉山酒造修復工事の見学会!

2月25日(土)、「伝統建築『これから』研究会」の活動の一環として、2,009年、国の重要文化財に指定された津嘉山酒造の見学会に行ってきました。津嘉山酒造は昭和3年(1,928年・築後89年)に建てられた工場兼住宅です。

私たちが沖縄に定住する前に3年間住んでいた旧国鉄矢岳駅駅長官舎は、明治42年(1,909年・築後108年)。歴史的には30年ほど先輩格ですが、戦前の木造建築工法で赤瓦がのる工場兼住宅の津嘉山酒造の建造物は戦火を逃れて今に残るのは「貴重!」の一言です。

この日は、改修工事として最後の見学会になると聞いたことや、瓦職人さんの講演、総会、その後懇親会もあるということで出かけることにしました。
急なことや遠いこともありましたが、小橋川副会長は参加されました。見学会の現場で顧問の琉球大学カストロ先生の教え子たちとも会いました。構造の研究をしていました。

見学会その他の感想は、写真説明の中でします。

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【この日はかかとに激痛が走り、とても歩ける状態ではありませんでした。急きょ、朝から病院に行き検査、患部に痛み止めの注射打たれ気絶しそうになりました。痛み止めの薬を飲んでそのまま名護に向かいました。修復工事の見学会には約30名ほど参加されていました。雨の影響が出ないように建物全部が仮設の屋根で覆われていました。さすが、国の重文の修復工事は違うなと思いました。】

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【古い瓦は再利用】

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【瓦には番号が打ってあります。これまでも石橋の復元や移転などを見てきましたが、同じようにすべて番号が打ってあり、元通りに組み直します。】

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【沖縄には珍しく、住宅部分には左官による塗り壁があったようです。】

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【説明をする文化財建造物保存技術協会の田村さん。柱間隔と内法高さを質問すると、それぞれ6尺2寸、5尺8寸のようでした。】

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【工場の小屋組みは、トラス式の洋小屋】

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【住宅部分は、和小屋】

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【麹屋は小屋組みが一番興味がありました。和洋折衷のいかにも麹置場の用途に合わせた工法でした。(耐震補強も含めて・・・)】

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【第二部は瓦職人さん・前原 和夫氏の講演会。演題は「琉球建築の屋根−シマジラーのこと−」。復元工事に必要な不足の赤瓦を古式の桶まきづくりで製作している職人さん。一通りの説明があった後。質問形式で講演が進んだので、聞きたいことをいろいろ質問させていただきました。】

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【シマジラーとは棟の両端の鬼瓦部分。卵型と小判型があるようだ、卵は子宝、小判は金持ちの意味があるかも?と推測されていました。そのほか、高強度、高圧で規格型の現代の瓦は馴染みが悪い。手作りの瓦は不揃いだが、馴染みがよく、少々のすき間にホコリやコケなどが詰まって雨漏りはなくなりとおっしゃておりました。これこそ「柔構造」。】

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【講演の後は、沖縄にしか残っていないとされる手作りの「桶巻き」の瓦づくりの実演。】

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【ロクロに張った粘土を回しながら仕上げます。中を抜くと、出来上がり。】

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【ご本人が「一瞬ですからしっかり見ててよ!」といった瞬間、円筒状に形成された粘土が四分割されました。本当に、あっというまで、直後ため息に似た歓声が上がりました。】

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【実演のあと、体験者を募られました。同行した長男・朴然が手をあげ、挑戦しました。微妙に先が細くなる桶巻き。師匠の指導のもと、緊張しながら作業しましたまわりには、お手並み拝見のギャラリーがいっぱい。】

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【がんばって仕上げる子どもへの師匠の心遣いか、「刻印していいよ!」いわれ、名前を彫るボクネン】

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【無事終了して緊張感が緩んだのか、やっと笑顔が出ました。木炭づくりの自由研究の延長にある古来の瓦づくり。初体験はいい経験になりました。前原さま、大変お世話になりました。】

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【実演のあとは総会。その後、懇親会。「津嘉山酒屋保存の会」の岸本会長、津嘉山酒造の津嘉山社長・幸喜工場長、金城建設の金城代表、市文化協会長の大城さま、建築士会の西里会長、北部支部の大城支部長、前述の前原氏、名護市教育委員など多くの方々と交流できました。私にも発言を求められましたので、「津嘉山酒造の建物は津嘉山酒造の財産・誇りですが、名護、沖縄県、日本の宝です。重要文化財の保存の維持管理は経済的にも負担がかかります。もっと建物だけではなく、文化性をアピールすることも大事。多くの人たちに理解・周知していきましょう!」と言いました。
今回のイベントを企画された「津嘉山酒屋保存の会」の皆様に感謝申し上げます。また、当「伝統建築『これから』研究会」は、現存する伝統的建築を学ぶとともに、これらの構法をもっと進化させていきたいと思いました。「これまで設計した」、『これから設計する』伝統技術が全部、「文化財」の価値として後世評価されるように・・・。】
posted by 塾長 at 09:44| 建築