2018年03月21日

「矢岳の家」おげんきで・・・

 明治42年(1909年)、肥薩線の全線開通時に建てられた旧国鉄矢岳駅(やたけえき)駅長官舎。満50歳を迎えて自分自身への問いかけ、「たった一度の人生で本当は何をしたいのか、自分自身は何ができるのか」で導き出されたのは「閉鎖型の自然生態系」のなかでつつましく生きることでした。

 結論が出たので、場所を探しました。それが熊本県人吉市矢岳町の旧国鉄矢岳駅駅長官舎。何軒も候補がありましたが、通りすがりに一瞬車から見えたのが下見板壁の小さな家。バックしてもらって改めてみたらもう虜(とりこ)になりました。

 この建物は国鉄駅長官舎後、国鉄はJRに移行。その後、町内会の公民館として使われていましたが、見たときは空き家になっていました。さっそく交渉を開始。人吉市の所有だった土地は市議会、家の管理をしていたもと国鉄マンとも話し合いを行い、なんとか所有することができました。
 契約後、住める状態に屋根や内装を改修しました。それから沖縄に残していた家族を呼び、理想郷ともいえる矢岳町で3年暮らしました。その間に林間学校を開始、同じ敷地に隣接して伝統建築の離れを建てました。

 3年間で得たものは「これまでの人生は一体何だったのか!というくらい衝撃の連続、その後の人生に大きな影響を与えています。今回、沖縄に引っ越してきて空き家になっていた矢岳の家を手放すことにしたのは、それほど大切な家を今後もしっかり管理してくれる方々が現れたからです。どうしても沖縄と熊本では離れすぎていて十分な管理ができなく悔しい思いがありました。
 スイッチバックとループ線を併せ持つ大畑駅(おこばえき)は隣駅、矢岳駅にはD51が鎮座します。またイギリス製レンガ造りの20か所以上のトンネルや巨大盛り土、鉄橋などを含めた「JR肥薩線」がイコモス(International Council on Monuments and Sites・ 国際記念物遺跡会議)の「日本の20世紀遺産20選」に選ばれ、肥薩線にある矢岳駅の駅長官舎がやっと日の目を見ることができそうです。

 売買契約、残してきた家財の片付けなどで急きょ、沖縄から矢岳の家に行くことになりましました。矢岳の家で出産した子が二人いることや、契約者が妻であること、障がいを持つ万然や1歳の「わかみこ」の世話を妻がしていることがいることなどから、家族11名で行くことにしました。
 「11名の団体」が移動するにはそれ相応に経費がかかりますが、もう大家族での移動は最後かもしれないと思い決断しました。

 船便と航空便で分かれて出発した家族が来週27日(火)に鹿児島空港で合流します。分かれて出発するのは、北中城村に残した馬やヤギ、イノシシ、ウサギ(2羽)、番犬(6匹)、猫、アヒル(ひよこ)・ニワトリ(約20羽)などの家畜・家きんの世話をなるべく自分たちでするためです。どうしても2日間はしかたない日があるので家内の親族にお願いしました。

 27日は人吉市、28日は熊本市に泊まります。熊本を離れて約13年、お世話になった方々と久しぶりお会いできそうです。

 長年、木造建築に携わって築いた価値観や自然観を一変させた矢岳の家と暮らしぶり。家の所有はなくなりますが、培った人生哲学は今も継続しています。「矢岳の家」に感謝しつつ、「末永く元気でいてくれ!」と願うばかりです。26日先発隊6名が出発いたします。

価値観を一変させた思い出の矢岳アルバム

矢岳の家_R.JPG

【母屋と井戸を国の登録有形文化財に申請し、文化財になりました。(全景)】

矢岳の記録(p3) のコピー修理後R_R.JPG

【母屋。ニワトリ(うこっけい)は今も遺伝子を遺して沖縄で生きています。】

改修後の8畳の間_R.JPG

【改装後の座敷。漆喰の総塗り替え、建具の改修で見事に生まれ変わりました。今後は宿泊施設になります。】

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【朝もやの中を走る一両編成の列車(肥薩線)】

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【明治時代作られた矢岳トンネル。壮絶な工事だったと聞き及んでいます。】

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【駅前のメインストーリー(?)奥に矢岳の家(駅長官舎)。秋はヒガンバナが彩りを添えます。】

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【稲作を初めて体験(3年間)。今も少しですが無農薬の田んぼで稲作にかかわっています。】

タイムスリップしてこれからは現在の状況です。

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【熊本にいる妹の子(姪)が作った折り紙のランドセルが送られてきました。心に弱度の障がいがあるようですが、すばらしい作品です。】

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【正座して食事する1歳と4歳の子どもたち。】

こだまこ&わかみこ.JPG

【仲良しの二人です。】
posted by 塾長 at 21:30| 教育・子育て