2019年05月17日

最近思うことと、連載20「寄り合い所帯の強み」

 最近は、脳性まひになった第7子・万然(ばんねん)の治療法をきっかけに、「さい帯血」のチカラに注目し、日本国じゅうの難治疾患患者・家族の負担軽減のために頑張っています。そこで、「障がい」について考えることが多くなりました。

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【11月に産まれた第10子・心然(しんねん)の初節句。12人家族の中の少数派「男4人組」。】

 障がい児や障がい者と呼ばれ人や家族のほとんどの方々は、「まさか、自分や自分たちが当事者になろうとは・・・」と考えていたと思います。
 私は小さなころから近くに精神障がいの子がいて、その子やその家族と接することが多かったので、子どものころからの夢は「特別支援校の先生」になることでした。
 (今偶然、長女が同じような夢を実現するために大学に通っています)

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【千葉大学に通う長女から予告なしに送られてきた花束に、胸を熱くする妻と子どもたち。気持ちは見えないが通じるものがある。】

 母子家庭だったので、大学はあきらめ工業高校に進みました。一級建築士も技術士も一度の受験で合格し、建築・土木の世界に入り込みましたが、どこかで少年時代の夢は生きていました。

 もう10年近く前、93歳で亡くなったおふくろが77歳まで現役の看護婦で働いた職場も精神科の病院で、多くの入院患者さんと出会いました。
 そのような環境にあったので、就職した後も障がい者の方々と接することが多く、10代から「人生、娑婆(しゃば)返し」という人生訓をもって仕事や社会活動を行ってきました。

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【「蚊」が一気に増えたので、外していた勝手口の網戸を取り付けた。小さな子どもたちのために低い位置に取っ手・引手をみんなで付けた。内側から開けるときは折れ戸の中心か右端を引く。外からだと真ん中か右端を押す。そのあと折りたたむ。内側から閉める時は折り畳まず、一枚の扉として右端を押す(外からなら左端を引く)家族で話し合いながら作るので意見がいっぱい。】

 そこで改めて「障がいとは」と考えることが増えました。今、根底に「生きていればなんでもあり、なんだ」と思うようになりました。「障がい」の原因となる病気やケガ、事故。天災も人災も、突然わが身に降りかかる可能性はあります。ただ、人間はその当事者になる直前まで「まさか」としか思いません。

 一般的に、思った通り体や脳の機能が働かないようになると「障がい」が出てきた、と言うようです。しかし人間はまともに生まれてすぐも、老衰で亡くなる前もまっすぐ立てず歩くことができません。赤ちゃんの時はさすがに覚えていませんが、年老いてから分かります。人間(動物)は、いつか必ず「障がい」を持つんだと・・。
 偶然的な考えでとらえると「まさか」となりますが、必然的に「障がい」は程度の差はあっても「死」と同じで、だれも避けて通れない共通のものではないか、と思います。

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【人間の赤ちゃんは生まれて1年くらいは歩けない。生まれたばかりの時は目も見えないし、しゃべれないけれど、愛情は伝わる。父親の子育ての話題が多い昨今だが、せめて1歳までは母子は一緒に過ごすべきだと思う。】

 問題は「まさか」で「障がい」を負ったときの対処の仕方。万然の時も医師から「72時間が生きるか死ぬかの勝負」と言われましたが、「どんな障がいが残ろうと、全部受け入れます!生きて返してください!」とお願いしました。

 万然はいまも目が見えず、四肢も不自由で立てません。意識はあるようですがしゃべれません。ただ、他の11人の親・きょうだいや周りの方々の愛情に支えられて、思い出したように笑顔を見せる時があります。

 10人の内7人を自宅出産で自らの手で取り上げた経験からすると、10月10日で3兆もの細胞や神経が全部うまくつながるのは「神業(かみわざ)」としか言いようがありません。また、「無」から「有」に変化する命の誕生は、単に物理的な現代科学では到底説明できません。

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【子ども同士、現在は16歳の年齢差の9人の寄り合い所帯。親を加えたら0歳から67歳(やがて68歳)までに11名が同居。経験も価値観も異なるが、共通の価値観もある。】

 日ごろから「人間は精神動物」とおふくろが言っていたように、「生きもの」や「モノ」には目には見えない「タマシイ」のようなものがあるのかも知れません。

 お金がなく、体も不自由であっても「しあわせ」と感じるのは、「タマシイ」の支え合いがあるからだと思います。また、その逆もあります。

 「令和」の元号が変わりました。これからは快適・便利で物質的な充足の価値に偏らず、目に見えない精神的な安定性と合わせた高度な幸福感を志向していきたいと思います。

(予期せぬ不運が「障がい」をもたらすことがある。しかし、目に見える「障がい」があってもその奥にある目に見えない「タマシイ」は変わらないから、見た目の「障がい」だけで「障がい」があるとは思わない。)

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【5月17日発刊のタイムス住宅新聞 連載 「細部(ディティール)から文化が見える」の第20話 「寄り合い所帯の強み」】
posted by 塾長 at 06:38| 教育・子育て