2020年09月13日

省エネ政策に物申す!

 昨日、国土交通省から分厚いテキストが送られてきました。
タイトルを見ると「改正建築物 省エネ法 オンライン講座テキスト」とあります。

 あぁ、以前パブリックコメントを提出したことのある法律か?と思い、一通り読んでみました。
案の定、今の日本の方向性を見事に表していると思いました。

令和3年4月から先の建築確認申請以降に施行されることや、床面積300u以内の住宅は説明義務で済むことなどが記されています。基本的な考えは地球温暖化防止のために温室ガスは発生を抑制する建築物にしようとする国際協定の一環と思われます。

 手法として建物の外側(外皮)に断熱材を入れたり、設備関係の省エネ化を行い評価する方法です。建築確認業務の簡素化に向かうかと思われていた流れが、またまた複雑な手続きや書類、計算等が増えそうです。
品確法で消費者保護のもとさんざんな目にあった後、今度は断熱材に覆われた家を造るために多くの労力をつぎ込まなくてはなりません。といっても設計料が増えるわけではありません。

こんなことをしているから、職人不足と同じように、設計者のなり手も減るはずです。建築士の受験者は年々減り続けています。

 国際協調というかグローバリズムの中で日本は文化を失いつつあります。数年前の技術士制度改正でも、国際協調の名のもと、1次試験は一定レベルの技術を教える大学を卒業しないと受験できなくなりました。私は平静11年の受験でしたので、当時の制度に合わせて高卒でも2次試験を受験できました。おかげで一発で2次試験は合格し、次の年初めて開始された「総合技術監理部門」も1回でクリアーしました。

 しかし今は、そういうわけにはいきません。学歴がモノを言います。おかしな話です。技術士制度は建築士制度と異なり、「すでに技術士としての経験と技術をもっているかどうか」を問います。建築士は、資格取得した後、実績を積みます。

 話が逸れますので戻します。

 「家を物理的な箱」としかみない今回の改正法。住まいは密閉された空間で快適な暮らしをすることだけではありません。春や秋は窓を開けて自然の空気を取り入れて感性豊かに暮らすのが日本の暮らしです。虫の音も雨だれの音も聞こえない頑丈な窓や壁では無理が生じます。
 また、沖縄ではシロアリ被害が尋常ではなく、柱の間の空間を断熱材で埋めてしまうと、シロアリの温床になります。もうたくさんその被害は見てきました。

 シロアリの幼虫は白いアリ。光と風には滅法弱く、天敵は黒アリです。また、グラスウールの断熱材は自然に還らないやっかいな資材です。仕事をする大工さんたちも健康被害を受けます。最終的に解体するとき分別できないため最終処分場行きです。

 伝統構法の木造の場合は小種多量で、再生可能でかつ自然に戻る材料がほとんどです。今回の法律は一面的に住宅の維持管理に関する省エネに陥っているように思います。

 そもそもRC造と木造を比較すると、木造住宅の排出原単位は59s‐c/s、RC造133s−c/で約2倍以上CO2を排出することになります。部材ごとに見ても、製材のCO2排出原単位は0.0078s-c/s、アルミニウムは1.765s−c/sであり、格段に排出量は増えます。
 つまり維持管理(ライニング)上の排出量以前にRC造は木造に比べて大幅に建設(イニシア)時にCO2を排出していることがわかります。

 また役目を終えて解体処分するときも、相当なエネルギーを損失するし最終処分量が増えることにもなります。
 特に外部の木製建具がアルミサッシに代わることは建設エネルギーの損失に加えて、雨戸の印籠じゃくりや落とし猿、上げ猿などの技術や文化などが継承できないデメリットがあります。
 これでは日本の住宅文化はすたれるばかりです。

 日本はすべてにおいてグローバル化の渦の中に落ち込んでしまいそうです。もっと日本文化に沿った独自の方法を国際的に説得させる力量が必要だと痛感します。
 テキストを見ると、多少、伝統構法に対する配慮もありましたが、とてもとても日本の文化を理解しているとは言い難いと思います。国がこんな調子だと、よほど頑張らないとのみ込まれてしまいそうです・・・

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【最近はアゲハやオオゴマダラなどのチョウやトンボが飛び交います。毎日、地下水を手ですくい上げ顔や手を洗い、口にできることを幸せに思っています。】

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【今朝(14日)掃除・エサあげの時見つけたカマキリの脱皮後の殻。また透明感が・・・。多分、さっき脱皮したばかりかもしれない。名前はきれいな「ウグイス」も今日は見ました。実際はそんなに奇麗ではないけれど、さえずりや鳴き声はきれい。「ホーホケキョ」。】

posted by 塾長 at 21:22| 教育・子育て