2021年11月18日

込み栓対決! カシ対ケヤキ

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現在切り込み中の木造住宅も2階床組みまでやっと到達しました。床延べ面積が約100坪もある大型の住宅で、かつこれを伝統構法で建てようとしています。

伝統構法に欠かせないのが込み栓や車知(シャチ)です。補強金物を使わないので仕口や継ぎ手には込み栓や車知が相当数必要です。今回は約1500本の込み栓を用意しました。

さて、込み栓と言えばほとんどはカシの木。通常は15.2o角です。今回のように土台や柱が180o角や150o角だと通常150oの長さでは足らないため、180oや210oの長さを注文しました。

シャチは昨日アップした竿車知継ぎや金輪継ぎなどに自前で棟梁が作ります。シャチはケヤキで作っています。

さてカシとケヤキではどちらが強いのか気になって琉球大学のカストロ ホワン ホセ教授にお願いして圧縮力試験をしてもらいました。
先生も首里城の再建に関わっておられて、梁にはオキナワウラジロガシを使われる予定で、構造的な観点から研究が続いています。その合間を縫って試験をお願いしました。

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実験用コミセン (2).jpg


【試験体です。JISでは長さ75o、25o角になっています。】

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【カシの込み栓の圧縮強度試験中です。】

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【ケヤキの込み栓の圧縮試験中です。】

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【時間ごとに変わるデータを目視】

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【右がカシ、左がケヤキの破壊状況】

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【結果は・・・。安定して強度が出たのは「カシ」でした。落葉広葉樹のカシと常緑広葉樹のケヤキの差でしょうか?一部カシより強度が出た試験体もあり、一概に強度比較はできません。(ほぼ同じ)しかし安定性でいけばばらつきの少ないカシの方に軍配を上げることにします。試験値なので、実際の強度は換算します。o平方メートル辺りの強度が出ましたら、またお知らせします。】

カシは「樫」と書きます。やっぱり堅い木なのは間違いないようです。しかし、木材は適材適所に使うのが原則。ケヤキも今回の現場ではたくさん使います。大黒柱や玄関の式台、上がりがまち、床框、違い棚など。

木の癖や性格を生かした住宅にしていきたいと思っています。
コミセンやシャチは本来、異なる部材をつなぐ役目。圧縮力ではなく剪断力で比較するべきです。
圧縮力での比較しかできませんでしたが、一定の強度比較はできました。

したがって次回は剪断力(せんだんりょく)の比較をしたいと思っています。(琉大では試験機械がありません。下記の要領でするそうです。これからも疑問が出たら研究活動が続けていきます。)

今度は剪断試験.jpg
posted by 塾長 at 12:03| 教育・子育て