2010年11月16日

加減!いいかげん!

 昨夜、いつものように8人そろって夕食が始まりました。定番は「家族ミーティング」。誰ともなく、席に着くと「ハイ!」と手を挙げます。だいたい、小さな子を優先して当てます。「今日は・・・」と報告や感想などが述べられます。
 テレビのない生活では、家族の会話がにぎやかです。

 そんな中、私が「今日のご飯は格別おいしいねー、どこ(産地)のお米ね?」と聞くと、どうも、産地ではなく、火加減が成功したように答えました。

 以前は水加減、つまり、水加減は水の量ではなく、水に浸した時間を聞いたものです。これも、ご飯のおいしさに影響します。
 しかし、これがうまくいっても、時々、べっとりしたご飯に遭遇する時もあります。私の言うおいしいご飯は、ご飯粒がピカピカ光っていて粘りのあるご飯です。

 昨夜のご飯は、まさに「おいしいご飯」でした。聞けば「火加減が良かった」からだとか・・・。
我が家はガスが熱源ですが、羽釜で炊きます。ICが入った電子炊飯器や電気炊飯器ではありません。昔のように、薪をくべながら炊くのではありませんが、ガスとはいえどもチャンと「はじめチョロチョロなかパッパ、赤子泣いても蓋取るな!」の教え通りしないと、おいしく頂けません。

羽釜で炊飯R.jpg
              

          (熱源がガスでも、火加減を毎日体験する羽釜での炊飯)

 ご飯は最初は弱火で炊き始め、途中で強火で炊きます。諺は「・・・なかパッパ」で終わるのが一般的なので最後の「・・・蓋とるな。」が抜けて伝わる場合が多いようです。
 実は炊いた後の蒸すのがお米の料理ではむずかしいところ。しっかり蒸せるように、最後まで強火が必要なのです。そのせいで、羽釜の底に「おこげ」ができます。子どもたちはこれが大好きです。

竹の炊飯器.JPG


                
        (林間学校では竹の筒を利用した炊飯。火加減はガスの数倍難しい)

 林間学校でも羽釜や竹でお米を炊くとおこげができます。最近の子どもたちは「癌になる」といって食べない子もいます。炊飯器に慣れているせいだと思います。


できあがりR.jpg



         (できあがり。加減がうまくいくとおいしくいただける・・・)

 炊飯器によるご飯づくりには、火加減が省略されます。お風呂も温度の調整がされたお湯がレバーひとつで自動的に出てきます。暮らしの中で加減をすることが、少なくなりました。

 近年、いじめや児童虐待、自殺に追い込むいやがらせなどの事件が目立ちます。批評家は「加減」が分からず、死に至ったと子どもや親のせいにしますが、日ごろから加減を教えない家庭生活や学校生活に問題があると言う人はほとんどいません。「いい加減にしろー]と言いたくなります。
 学校の冷暖房も同じことで、服で調整することなしに、スイッチのON・OFF、温度設定で対応しようとしているので、子どもから「加減能力」が失われていきます。

 感性の喪失、機能の劣化を言う前に、自分で加減する作業を日常生活で経験させることが大切なように思います。
 
 教師や上級生、親など子どもたちにとって抵抗しにくい関係者が、これ以上手を出したらどうなる、という結果を想像できないのは「加減経験のなさ」から出てきているのではないかと思っています。

 水を与えかた、火の強弱、すべて加減です。子育ての専門家が、冷暖房の効いた部屋で、市販のペットボトルのお茶を飲みながら、加減のなさを指摘する姿を見ると、説得力がないように感じます。

 加減ができると、自立心も高まります。子どものうちから暮らしのなかで、加減のわかる作業を取り入れたいと思っています。うまく加減ができると、おこげもできなく仕上がり、おいしくもありがたくいただけます。

 良い(いい)加減のわかる子どもを育てましょう!感性が芽生えるからです。
posted by 塾長 at 10:28| 教育・子育て