2011年01月28日

「ゲン!感動をありがとう!」

 昨日もまたまた刺激的な一日でした。

 今月末までに建築確認を降ろす予定の設計図書を、25日(火)夕刻に審査機関に持ち込みました。審査担当の方が26日は風邪で体調を崩されて帰宅されたようですが、次の日(27日・昨日)に連絡があり、受け取りに行きました。
結局、中一日、体調を崩されなかったら、申請の次の日に確認が降りた形になります。超特急並みのスピードにも驚きました。円滑な審査をした審査機関には感謝しています。
 
 設計者としては、確認通知はひとつの節目です。安心しながら那覇から北中城に帰ってきました。車中には受け取りに行った家族8人がいます。楽しい家族の会話は途切れることなく、朝から馬を放していた家の裏山の牧場へ・・・。

 と・こ・ろ・が・・・。いつもは車の音を聞き分けて、牧場の入り口に顔を出すはずのゲンが来ません。「あれっ?」。「きっと、奥にいるはずよ。」こないだは、裏から出て牧場周りの草を食べていたこともあるからです。

 しかし、暗くなった牧場や周辺を探しても見当たりません。確認通知の安ど感が一気に不安に変わりました。以前にも、牧場の丸太の柵をかいくぐって出たこともあるし、県道まで走ったこともあります。

 一番心配なのは、交通事故です。車とぶつかったら、大事故になります。なんてたって車と同じ速さで走る馬なので、正面衝突をしたら死亡事故に結びつきます。

 家族8人で一斉に「ゲ―ン、ゲ―ン!」と連呼しました。裏山は回廊式になっていて、一周約800m。これを2度歩きました。待てど呼べど、与那国馬のゲンは、鳴き声さえ出しません。もう、辺りは真っ暗になりました。

 現在、沖縄市の現場で働く熊本の大工さんたちも、帰ってきています。「あぁ、夕食も遅れてしまう。どうしよう?」

 最近は、牧場に放して置いた日の帰り道は、手綱をはずして帰る時もあります。「遠くには行っていないはず。きっと、裏山の中に入って帰り道が分からなくなったんじゃないのかなぁ。」という結論になり、ゲン探しは明日に持ち越しました。

 しかし、不安は募るばかり。そこで大城駐在所経由で宜野湾警察署に情報収集のお願いをしました。もしも周辺の森から出たら、危険だと思ったからです。警察も協力する旨、返事をもらいました。

 心が落ち着かない遅い夕食をとり終わったころ、3匹の番犬が吠えます。「誰か来たのかな?」すると「こんばんわ!」と玄関で声がしました。警察官の制服を着た駐在所の方でした。着任された時からの知り合いです。
 「見つかりましたか?」「いや・・・まだですね。」「宜野湾署にも連絡してあります。情報が入ったらすぐに連絡しますから・・・。ところで、どんな形の馬ですかね?本署に紹介しますから・・・。例えば、下にいる馬のような形ですかね?」

 「はぁ?下にいる?」いるはずがない。「どこにいますか?」「小屋の中にいる馬ですよ。あの馬くらいの大きさですかねー」「ちょっと待ってください。馬がいるんですか?えーッ!」
 
 家族全員、一斉に席を立って母屋の下にある馬小屋に向かいました。いました!ゲンです。なんと、小屋の中に入っています。ただ、ゲンも道に迷ったのでしょうか、どこかさみしそうに見えました。すぐに頬ずりをしてあげました。

 いつの間に帰って来たのでしょうか?我が家の番犬たちは、警察官には吠えても、仲間のゲンには吠えないことも分かりました。


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                                   【戻ってきたゲン】


 泊っている大工さんたちと話し合いましたが、夜道に自分で帰って来たのですからやっぱり馬は「おりこう」だなぁ、という結論になりました。
 在来種の与那国馬を環境教育用に飼うようになってから、一冊の本を読んだことがあります。元、琉球大学の学長だった高良 鉄夫さんが書いた「馬と語る、馬を語る」という本です。このなかで石垣島に連れて来られた馬が、育った小浜島に向かって海を泳いだ「事件」のことが載っていました。
 狭いながらも自分の小屋に自ら帰ってきたゲンを目の当たりにすると、納得できました。
 「ごめんね、ゲン!」と、みんなで何度も話しかけて、エサをたくさんあげました。

 この後、大工さんたちと、確認通知や馬のことで盛り上がって盃を交わしたことは、言うまでもありません。感動をありがとう!ゲン!
posted by 塾長 at 10:29| その他