2011年11月06日

家族の林間学校・・半日コース!

 きたなか林間学校は、家庭の延長です。普段、家族で行っていることを、参加者と一緒に行います。きたなか林間学校の目的は「人格形成」。手段は「環境教育」です。

 環境教育は「理科」とは異質です。「道徳」とも違います。私にとっての環境教育は「自然環境と人間との共生」です。その過程で理科的なこともあるし、道徳的なところもあります。

DSCF7479R.jpg


【3歳児の「こはづき」は、番犬2匹の担当。調合して「待て!」「お手」「お代り」頭を「よしよし」となでた後、「よし!」の号令のもと、食べさせる】

 今日は家族でいつも通り、家畜・家きん・番犬などへエサあげをしたあと、畑仕事もしました。いわば「家族の林間学校」です。

DSCF7483R.jpg


【4歳の「さわみこ」はウサギの担当。ウサギ小屋の掃除の後、草と水を与える】

 7人兄弟のうち、3歳以上5年生以下の異年齢、異能力の6人組です。エサあげは、与那国馬、アヒル、ニワトリ、ウサギ、キジ、番犬、メダカ、闘魚などです。
 アヒルやニワトリは放し飼いなので、私たちが家から出ていくと、向こうも出てきます。ニワトリとアヒル、キジのエサには、近くからセンダン草などを採ってきて包丁で刻み、米ぬかや料理の端材などを混ぜてあげます。今日は小雨交じりの天気。大雨の時も変わらず行います。

DSCF7490R.jpg


【水替えはチョッと高度な作業。小2と小3の「麻衣」と「亜和(あや)」の担当。水槽の水が逆流しないように先に地下水ポンプのスイッチを入れ、水栓を開ける。終了すれば、その逆の作業となる】

 与那国馬のゲンちゃんは近くの草場まで連れて行って食べさせます。ウサギも同じように、近場から草を切ってきます。番犬だけは自然食と言うわけにはいきませんが、朝食の味噌汁のだし汁の残りにドッグフードを混ぜます。

 水替えも大変です。アヒルたちが水浴びや飲み水に使う古い流し台のシンクには、地下6mの地下水を入れますが、全部入れ替えます。
 ウサギやニワトリの水入れは点在した器に入れます。水を欠かすと3日で死んでしまいます。水代ももったいないので、軒下のいたるところにバケツが置いてあります。今日などの雨上がりには、ほとんど上水道を使うことなく、新鮮な水を与えることができます。「♪水は天かーら、もらいみーず♪」(五木の子守唄)です。

 これだけの作業ですが、家族8人で1時間かかります。これ以外に気付いたことをする時もあります。この1週間、蚊が異常に発生しました。「パチン」と子ども顔を手のひらで打つと、3匹の赤い血を見ることもあります。こんな時は、台風で出た倒木を燃して、煙や熱で蚊を追いやる作業もします。

 池の浮き草が増え過ぎると網ですくったり、家の周囲の水みちの枯れ葉を掃除したり・・・自然の中で暮らすには自然に適度に手を入れ続けなければなりません。名水百選から流れてくる余剰水を少しだけ頂いて池に引いていますが、誘導する竹の樋の維持も毎日の仕事です。
 つまり、自然との共生には、毎日毎日、目には見えないほどの手入れが不可欠なことを子どもたちは体得しています。

DSCF7505R.jpg




DSCF7514R.jpg


【馬の力を借りて「人馬一体」で畑へ移動】

 エサあげを終えると、リヤカーに道具類を載せて、裏山に向かいました。沖縄は放っておくとあっという間に草が茂ります。畑にしたい平地も、草ぼうぼう。耕運機や草刈り機、除草剤など機械や農薬を使わず、クワや鎌で開墾し、耕すので、重労働です。しかし、お陰でミミズと出会います。ミミズは天然の耕運機。

DSCF7528R.jpg



DSCF7524R.jpg


DSCF7540R.jpg



【土1グラムに450万個の微生物、施した馬糞の堆肥には16億個の微生物が生きている。無数の生きものに生かされて野菜が育つ。それをまた「いただく」】

DSCF7563R.jpg


【微生物だけではなく、ミミズにも世話になる】


 今日は、ダイコン、ホウレンソウ、シュンギク、コマツナの種をまきました。金曜日に半割にして準備していたジャガイモの種イモも植えました。
 道具類は近くの湧水地で洗い、持ち帰ります。この間、多くの動植物の命と出会い、それぞれに思いをはせます。

DSCF7545R.jpg


【「畑」は「田」に「火」。焼畑から来た象形文字との説もあるが、ここの「火」は「虫(蚊)追い」の役目】


 人間生活は自然を破壊します。だから、自然保護は重要かもしれませんが、保護だけでは人は暮らせません。目指すは「自然との共生」です。いかに自然への負荷を低減し、自然の仕組みを脅かすことなく暮らすか。
 自然への働きかけが穏やかで、開発しても自然の復元力が上回る場合は自然破壊とは言えません。これは自然との共生ができていると考えます。
 急速で大がかりな開発や、機械力・化学力など文明の圧力を掛けた開発でもとの自然への復活がむずかしく、壊滅的な自然開発は自然破壊と捉えています。

DSCF7557R.jpg


DSCF7560R.jpg


DSCF7564R.jpg


DSCF7580R.jpg


【小雨の中、泥んこになって種まき・種イモ植えに精を出す】


 近年の環境教育は、自然との触れ合いは行われますが、果たしてどの程度、「自然との共生」を、身を持って体験しているのでしょうか。単なる自然接触で終了していて、体験に基づくコーディネートがなされているかどうか、疑問が残ります。集団生活における交流や道徳教育にウエイトが移っているのではないかと危惧しています。

 わが家は毎日が林間学校です。今日は半日コースのプログラムと言ったところです。

 毎日24時間、さまざまな生きものとの出会い・別れがあります。それぞれの生きものの寿命は決まっています。天敵や事故で死ぬこともあります。縁あって出会った命。モノ言わぬ草木や言葉の通じない動物たちの思いに耳を傾け、それらの命の犠牲の上に成り立つ自分たちの生活を再認識して、慎ましく生きていかねば・・・と今日も感じました。


DSCF7523R.jpg



DSCF7531R.jpg


【付録:作業の合間の子どもたち。上:「必殺・仕事人シリーズ」の花屋の「政」になりきり、口に枝をくわえて走る「こはづき」。下:勝新太郎の「座頭市シリーズ」の「市」に扮するお二人さん】

DSCF7581R.jpg


【かくて、本日の作業は終了】

DSCF7584R.jpg


【最後に鳥から種を守るために、網を張る】
posted by 塾長 at 19:50| 林間学校