2013年05月11日

危険と成長は隣り合わせ!

 自然を相手の野外活動が中心の林間学校では、ケガはつきものです。今回も、注意しても切り傷、すり傷などが発生しました。(ちなみに前回は無事故)しかし今回、不運にも木から落ちた子どもが腕を骨折しました。これまでカマで10針以上縫う大事故もありましたが、落下による事故は、23回開催してきて初めての出来事です。

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                               【子どもたちが登ったアカギの木】

 
 木に登ろうとするのは、野性力が残っている証拠です。そこに川があれば、入ろうとするのと同じです。木登りが好きな女の子ですが、登る理由を聞きました。私は「高いところは違う景色が見えるからかな・・」と尋ねたら、「木の上は違う風が吹いて気持ちいいから・・」と返ってきました。子どもらしい理由でした。
 
 今回は幼稚園の子から小学校6年生まで22名の参加でした。自らリスクの判断が必要なため、原則、3年生以上を参加条件にしています。ただ、親御さんが案内チラシや注意事項などを参考に、参加を承諾すれば、受け入れています。今回は幼稚園児、小学1年生、2年生が各1名いました。

 事故は、昼食づくりに参加していない子どもたちの休み時間(自由時間)に起きました。気づいた時、子どもたちは坂の上の木に登っていました。7〜8名はいたと思います。ただ、強制で登らせているわけではなく、自分で登ることについてはイチイチとがめません。 骨折するのは本人が一番痛い思いをするし、家族も大変心配されたと思いますが、私は頭を打たなかったのは、不幸中の幸いだと思いました。同じ木に同じように上っても、その子が掴んだ木の枝が偶然、折れて約3メートル下に落ちたのです。(別の子たちも同じ折れた枝は握っています。)

 近くにいたのですぐ抱き上げて移動し、三角巾で腕を固定しました。打撲なので痛がってはいましたが、泣かずに、腕や指も動きました。気分も良く、床に着くかどうか尋ねると、「活動はできないけれど、見学したい」というので、玄関前の石段に座って様子を見ることにしました。そのあと、元気に昼食の野草コロッケを食べていました。休日診療で整形外科医が夜来るというので、その時間に合わせて病院へ運びました。初見では骨折していないようだと言われましたが、その後、X線で骨折が判明。残念な結果になりました。

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【事故後、午前中に判別して摘んだ野草を使ったコロッケをみんなでいただく。三角巾で固定した腕で不自由ながらも食事をする。(中央奥)】

 木に登るプログラムは当初からありません。しかし、休み時間帯に木に登る冒険は、木の高さや種類、自分の能力、周りの状況などを自分で一定判断するのはひとつの学習です。私が気付いた時は、もう数人、登っていました。下はコンクリート。木登りがこわい子や苦手な子は登らないし、登っても低いところにいました。
 学校や家庭でできないことを、危険を承知でやりたいのは、理解できるし、ここしかできない、今しかできないことを冒険心で挑戦するのは、教育的意義もあります。

 しかし、事故は最大限未然に防がなくてはなりません。子どもが知らない情報や危険を促すことは指導者側の義務です。高いところの子どもには、「この木(アカギ)は折れやすいぞ!」「落ちたら大変だよ。もう、降りてきなさい!」と木の真下から注意しました。昼食の準備の確認に移動し始めた直後、「ドスン」という音がしました。

 危険を承知でどこかで、誰かがそれをさせないと子どもは成長しません。高さが1mでも、落ちて打ち所が悪いと、大けが、死亡に至ることさえあります。危険を排除する現代の暮らしは、極論を言えば交通事故がこわくて、外に出さないようなものです。オタクのまま大人になったら、危機管理能力が欠乏し、パニックに弱い人間になってしまいます。

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      【小学2年生もノコギリを使う。ノコギリで自分の指を切った子もいた。幸い切り傷で済んだ。】

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                   【ナタも使う。危険と隣り合わせ。しかし、大人になるまでに必要な経験。】

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【かまどに使う石を積んで、リヤカーをみんなで押す。注意しさせても、リヤカーの金具で怪我した子もいた。擦過傷。】

 ただ、本人やご家族に痛い思いや心配をおかけして申し訳ないと思っています。また、木に登っていることに気づいた時、子どもたちを全員、強引に降ろせた方がよかったのかと反省もしています。

 子どもの成長に、ケガや病気はつきものです。家庭内でも学校でもケガや病気にかかるリスクは誰も持っています。骨折はしましたが、これらの積み重ねで人は成長して大人になります。事故にあったお子さんは不自由な身になり、痛い思いをしていると思いますが、一日も早い回復を願っています。
これからも、細心の注意は払いながらも、子どもたちには成長と隣り合わせのリスクを共有していきたいと思っています。

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                                     【馬のエサ・ススキをカマで切る。】

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【これは、休み時間ではなくプログラムのひとつ。ヤギのエサになるオオバギの葉を採取。アカギよりもっと折れやすい。絶対、細い枝に乗らないよう注意。自然を相手にした活動に危険は伴う。今後はさらに細心の注意を払っていきたいと思います。】

追伸
 「かわいい子には旅させよ!」と言われています。わが子7人の内、上4人(小学2年〜中1)は、7月下旬から九州へ7泊8日の旅をします。出発は船、鹿児島から鈍行列車(各駅停車)を乗り継ぎながらの旅です。途中、食事やトイレなどどうなることかと心配もありますが、子どもたちが決意したこと。親としては何があっても覚悟しています。がんばれよ!子どもたち!
posted by 塾長 at 11:37| 林間学校