2014年01月31日

立柱祭!

 平成26年1月18日(土)、北中城村仲順(きたなかぐすくそんちゅんじゅん)に建築中のH邸の立柱祭と上棟式を行いました。もともと上棟式の予定で、その前にせっかく伝統構法が見えるので同時に第7回目となる「住環境フォーラム」も開催しました。
 上棟式ができるまで進ちょくする予定でしたが、残念ながら土台に15も段差のある心柱のある住宅はそこまでできませんでした。しかしながら、かえって途中の方が伝統的な仕口や継手、木の使われ方など木の文化、木造技術がよく見ることができたのではないかと思っています。

 前夜に我が家で宿泊中の大工さん3名と施主家族、それに私たちの家族が合同で上棟式後の餅投げ(餅まき)の餅を搗きました。紅白の大きな角餅(すみもち)を4セットと施主の長男さんが拾う紅白餅を優先し、その他は現場で撒くお餅にしました。
 伝統行事の伝承のため小学校にも案内をかけていたため、参加者が増えるかもしれないので、別に祭事用のお店に100個の小餅も依頼しました。

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【上棟前夜、餅投げ(餅まき)用の餅を、施主、大工棟梁、設計者の三者で心をひとつにして搗いた。】

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【施主も一緒にみんなで丸めた。世の中、丸くいきますように・・・。拾ってくれた人が幸せになるように・・・。】

 当日は、25トンクレーンでやっと吊り上げた直径60pの心柱を中心に多くの方々が集いました。フォーラムでは、日本に伝わる木の文化、特に山で育った木を伐採後も同じ方向で建てたり、木の曲がりを背や腹に使うなど、木の癖を生かした伝統技術を説明しました。

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【「住環境フォーラム(7回目)の様子。私の建築哲学:「農に似て、工に非ず 自ずと然りの伝統構法」がテーマ。木の住まいという、命の誕生に際し、化学物質を使わない無農薬農業に似て、さりとて、規格品の大量生産の工業でもない。つまり、木造住宅は、自然の木をその癖を読み取りながら自然に逆らわずに建てる伝統構法が、自然に一番適していると話した。工業化、化学化が進む木造住宅。快適便利、安全を重んじる住宅から、機能劣化、感性の喪失、危機管理能力の低下が広がりつつある。断熱・気密性の高い住宅には落とし穴がたくさんある。】

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【山で育ったように建てた心柱。枝が出ている方が南。癖を生かした木使い。】

 木造といっても様々です。最近はプレカット工場に運ばれた木材は、機械によって寸法通り正確に加工されますが、機械は年輪も癖も判別できません。この現場の柱は東と南を向いて建てられています。心柱はこの住宅の象徴です。だからわかりやすいように、枝をつけました。枝は山でも現場でも南側に向かって伸びています。適材適所に木を生かすことは、人間社会にも通じます。

 さて、フォーラムのあとは伝統的な式典です。まずは敷地を清め、心柱の前にお神酒やお米、水、塩を用意して祭壇としました。そこで、不肖、私が祝詞を奏上。今回は「龍が昇る家」なので「日本龍神祝詞」を奏上しました。祝詞奏上後、施主とともに「二礼二拍手一礼」を行い、私たちもお神酒をいただきました。

 最上部に棟木がないので、心柱に棟礼をあげ、棟礼に書く「天官賜福 紫薇鑾駕」(てんかんしふくしびらんが)は縦書きとしました。志村京子先生の書です。
 棟礼を上げたあと、五色の布を上げ、鬼門・裏鬼門の方向に矢を立てました。そして催事の最後に「千歳棟!」の掛け声に呼応して「オー!」と参加者の声。「万歳棟!」「オー!」「曳々(えいえい)、億棟!!」「オー!!」、掛け声に合わせて大工さんたちが込み栓や梁を掛矢で叩きました。全員が一体になった時です。これまで数え切れないほど棟上げを経験していますが、最高の盛り上がりでした。

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【お神酒などを上げ、心柱に向かって「日本龍神祝詞」を奏上した。】

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【五色の布と矢。五色旗は五行説に習い、矢は厄を払うために立てた。】

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【3尺6寸5分の長さの棟礼。「天官賜福 紫薇鑾駕」(志村京子様の書)。裏には年月日と施主、大工棟梁ほか大工さん、設計者が連名で氏名を書いた。】

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【掛け声に合わせて、参加者全員が呼応した声であげ会場は盛り上がった。】

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【餅投げ風景。みんな幸せになりますように・・・。】
 
式典を終えていよいよ餅まきです。大工さんと施主親子が登り、昨晩搗いた餅やお菓子を撒きます。建て主の喜びをみんなで分かち合う行事です。お餅には幸せに「ご縁」があるようにと「5円玉」を付けています。隅餅には50円玉が入っています。
 
 手描きの図面を参考に、山で育った木を人間の目で見極め、墨付けして手刻み。それを一本一本差し合わせて組んでいく日本の伝統的木造技術は、世界一の技と文化です。
 式典の意味も含めて、後世に残していく責任があると考えています。

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【刎ね木(はねぎ)。通常とは逆に丸太を使う。丸く曲がった方を下にして、軒先の重みを受け、天秤を踏ませて内側で刎ねる力を抑えるやり方。】

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【登り棟。この棟に龍の鬼瓦が鎮座。龍はその前方上にある宝珠を目指して昇る。まさに、「龍が昇る家」。】

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【全景】

                   おまけ

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【普段の風景。餌あげで5歳の「こはづき」が包丁を使う。】

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【保育園、幼稚園に通わず我が家でしつけ中の「さわみこ」。その「さわみこ」が、犬をしつけ中。】


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【平成の名水百選のひとつ、タチガー脇の池にお地蔵さんを寄進。清掃と水や花あげは子どもたちの日課。名水が永遠に出ますようにと祈る。】
posted by 塾長 at 09:30| 建築