2023年09月14日

台風に負けない、イネの生命力!

8月初め、家族間では「酔っ払い台風」と呼んでいます。千鳥足でどっちに行くか分からない台風6号は2度沖縄を襲いました。小学校から依頼を受けて稲作をしていますが、せっかく頑張って出穂(しゅっすい)まで来たのに、みんな倒れてしましました。(既報)

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【倒れた稲を家族で起こしました。しかし、残念なことになかなか以前のようにまっすぐ立てませんでした。】

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【田入れ防止に補助の木を入れましたが、思った通りにはなりません。】

どうしよう。一度水に浸かった穂は、土や砂をかむので収穫しても問題が生じると聞き及んでいました。しかし、刈り取った稲は「しめ縄」や「綱引き」に使われるほど強くて丈夫です。

その生命力に期待して、「そのまま」待つことにしました。

台風襲来から約1か月半。なんと枯れ始めていた台風被害の稲の横から「分蘖(ぶんげつ)」したかのように、新しい茎が出てきました。

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【まるで刈り取った後、新たに生えてくる「ひこばえ」のように見えました。しかし、それとも違います。「ひこばえ」は一度全部カマで刈った後に生えてくる稲のことです。】

しかも、倒れた稲の周りだけなら「分げつ」かな?と思いますが、まったく元の稲とは関係ないところからも新しい茎が伸びていました。初めてのことなので何とも言えませんが・・・。

多分、台風で落ちた「籾だね」の赤ちゃんが成長して根を張ったのだろうと思いました。そういえば台風前に多くの稲には白い花が咲いていました。しかしまだ、まともに実を結んだとは言えない「未熟児」でした。

それでも「稲」は成長しました。人間社会にも通用する「生命の力」です。

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【枯れかけた稲から落ちた未熟の「もみ種」や、枯れて沈んでいく「親稲」から「分げつ」して隣で元気に育とうとする青い稲たちを見ると励まされます。】

「世代交代」思わせるほど新しい稲がニョキニョキ伸びてきました。田んぼ全体が活気を取り戻しつつあります。(心なしか、茶色の田んぼが緑色に変わりつつあるように感じます)
今朝は根をしっかり張るよう、水位を下げました。浮草も少し減らして水(酸素)の通りを良くしました。
この8枚の棚田は、完全無農薬(無防除)、無化学肥料で育てています。水は地下水です。

イネの生命力は土や水の力に比例すると思っています。稲の生命力に期待して、今後も静かに見守っていきたいと思います。「がんばれ!イネの子どもたち!」

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【帰ってきた「カエル」。台風の時はどこかに逃げていたカエル君。無防除の田んぼは棲みやすいのか、また戻ってきました。アゼを歩くたび、無数のカエルとバッタに巡り合います。】
posted by 塾長 at 17:08| 教育・子育て

2023年09月07日

沖縄建設新聞 連載 4回目

連載中の記事をアップいたします。

今回は第4回目です。

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posted by 塾長 at 19:23| 教育・子育て

2023年09月04日

NTTがつながる!

1か月ぶりにNTT回線がつながりました。「ひかり回線」もつながったのでやっと通信関係が正常になりました。

これで固定電話やFAXをはじめ、インターネット、データの印刷などができます。

取り急ぎ、ブログを再開します。

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【今月末の完了検査に向けて全員で施工に専念している現場です。2階の玄関部分です。】

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【玄関側の屋根。入母屋で葺き降ろし。正面側が4.5寸、左右が5寸の振れ隅。鬼瓦は人間国宝の「渡部鬼師」さんの作、取り付けと屋根全般の施工は島袋瓦工場さんです。】

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【真上から見た屋根。敷地形状に合わせて右側は「すがり」と呼ぶ段状になっています。】

ドローンによる撮影(試し)からスクリーンショットしました。(横田大工さんのご友人のご厚意です)
posted by 塾長 at 15:24| 教育・子育て

2023年08月30日

沖縄建設新聞連載第3回目

台風6号の影響で電話線、ひかり回線等が全部断絶したまま直っていませんので、更新ができませんでした。

応急処置にて数時間のみ動かせるようになりましたが、仕事を優先しているので、ブログまで行きつかない状況でした。

今月初め出た連載記事もアップできませんでしたが、取り急ぎ、操作してみます。

現在は公私とも多忙で頭がおかしくなりそうですが、なんとか生きております。
心配ごとや不安なこともありますが、前を見て進んでまいります。では、また・・・

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posted by 塾長 at 20:17| 教育・子育て

2023年07月31日

出穂(しゅっすい)、自由研究スタート、台風対策

小学校から依頼された「田んぼ授業」。出穂(しゅっすい)しました。

白い小さな花が咲いています。

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25年前までは都会暮らしで稲に花が咲くことさえ知りませんでした。

今年の子どもたちの「自由研究」は4年生と1年生の共同研究。テーマ名はまだ未定のようですが、田んぼの中に発生した「藻(も)」の「アオミドロ」で紙を作り、「うちわ」などの紙製品を作ることです。

藻のなかには「もやもや」した「アオミドロ」と「アオウキクサ」が共存しています。しかし向かって右のタンクから出る地下水で潤った右の田んぼには「アオミドロ」、左側の田んぼには「アオウキクサ」が多く繁殖していました。

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【右側の田んぼには「アオミドロ」が多く繁殖。】

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【左の田んぼには「アオウキクサ」が多く繁殖。】

そこで水源である「タチガ−」での水温、タンクの水温、両方のタンクから出る水温、左右4枚ずつの田んぼの水温を測りました。
そこで分かったことは、右4枚の田んぼの水温は30℃以上、左4枚は30度以下ということでした。それは影や浮草の量の影響もあるかもしれませんが、一番は流れ込む水量の違いでした。右は1日換算で約4トン、左は5トンでした。

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【繁殖した「アオミドロ」を採る子どもたち。】

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【水温測定中】

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【「アオミドロ」が多い右側田んぼの水温はすべて30度以下。】

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【左側の田んぼは「アオウキクサ」が多く繁殖。】

つまり水の量で水温が変わり、水温に合った植物が繁殖するということが分かりました。藻や浮草は水田の水温を抑制する力があります。また枯れれば窒素として土を豊かにします。
しかしあまりにも増えすぎると水の循環が妨げられるだろうと思って子どもたちは時々熊手を使って畔にあげていました。「命」ある水草がかわいそうだし、もったいない、ということから何かに有効利用できないかなぁ、というのが「アオミドロ」の紙化への研究のきっかけです。

まだこれから果たして「紙」になるかどうかの研究と実験が続きます。真夏の沖縄の水田で二人が頑張っているので、サイドから応援したいと思ています。

さて台風6号が近づいてきました。昨日はせっかく成長しつつある稲が風で倒れないように・・と家族総出で防風ネットを張りました。

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【右と左の田んぼの防風ネットを張った状態。】

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【全景】

とても台風には勝てませんが、少しでも脅威から守ってみようと思いました。正面にはマンションがあります。左右には防風林とまではいきませんが、稲より高い草木があります。無防備の道路側を中心に、台風の風向きや周りの防風環境などを鑑み、張り方をいろいろ工夫してみました。

倒れた稲はこれまでで見てきています。稲は倒れたら大変。しかし台風には勝てない。

「頑張れよー!稲たち!!」
posted by 塾長 at 15:37| 教育・子育て

2023年07月21日

田んぼの生物調査

昨日、田んぼの授業の一環で「生物調査」がありました。

稲もお陰で約50aに育っていて、昆虫や両生類、鳥や植物も寄ってきています。心配なのは「水」。このところ雨がまとまって降らず、農業用の用水タンクから溢れていた地下水も溢れなくなりました。
徐々にタンク内の水位が減ってきています。
ただ昨日や今日は底田原(すくたばる)の300トンタンクはなんとか水位を保っています。

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【畔づくりや代掻きに来た北中城小学校5年生約150人が7月20日朝から生物調査に来ました。校長先生から稲にとっての益虫や害虫、ただの虫の説明があったと思います。私はスタートの時少しだけ浮草や藻の働きをしゃべって、仕事に向かいました。】

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【水不足の時期・・・田んぼでの足洗いは遠慮してもらいました。夏休みに入るのでイキモノ調査でなにか研究したらいいけどなぁ…と思いました。】

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【こちらは我が家の敷地内で見つけた「ナナフシ」。足が1本ありませんでした。「元気でね!」と声をかけてベランダの桑の木(我が家の先住木)に返しました。生物調査。イキモノの命のことをどれくらい5年生は感じたのだろうか?無農薬・無化学肥料の田んぼのイキモノの数や種類も大切だが、もっと大事なこともある。】

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【さて現場は内装工事にかかった。まずの難関は居間の天井張り。宙に浮く心柱と八角形の塔屋が居間の天井の一部に降りてくる。】

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【床に地墨を打って塔屋の壁と天井見切りの原寸を出す。】

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【壁〜天井の見切縁の仕口】

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【天井に挙げてみる。】

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【こちらは居間天井の格縁(ごうぶち)の仕口。銀杏面を施し、合い欠きで組むので大工さんも大変な作業。さらに天井高さが3200oもあるので作業も危険。】

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【18日、19日で木製建具の採寸が行われた。まだ寸法を取れないところも多々あるが、もう作り始めないと後期に影響があるから宮崎から来てもらった。都城市にある「山和木工所」。以前お世話になっていた熊本県湯前町の竹下建具製作所さんが仕事をやめられたので紹介していただいていた。
沖縄に来てどこも行ってない様子だったので我が家を見てもらった。その途中、重要指定文化財の「中村家住宅」を見てもらった。そのあと急に無理を言ったが沖縄市の「比嘉宏仁邸」も見ていただいた。山下社長(向かって右)と職人の私と同姓の後藤さん。】

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【中村家住宅を案内するとき何やら雰囲気が違っていた。この日はOTV(沖縄テレビ)のロケが入っていたのだ。それでも顔見知りの中村家住宅の社員さんが少しだけならいいよ、と言って入場許可をもらった。ありがたい・・・・帰り際カメラの先を見ると「具志堅用高」さんが見えた。軽く会釈をすると知り合いでもなのに会釈で返してくれた。気さくな人だと思った。建具屋さんは偶然の出来事に喜ぶやらびっくりするや・・・そして19日夜、飛行機で帰宮された。】
posted by 塾長 at 15:26| 教育・子育て

2023年06月29日

足場が解けて・・・

現在進行中の現場の足場が解けて、全貌が見えてきました。

いつも人間の目線でしか撮れないのでお向かいの町田様にお願して、高いところから写してみました。

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【やはりだいぶ雰囲気が違います。人の目線では見えない八角形の塔屋がしっかり見えます。やがて高圧電線の黄色い被覆もとれるのでまたその時点でも撮りたいと思っています。】

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【これはスロープ側から撮った写真です。これから手すりが付く予定です。】

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【今日の写真です。玄関に手すりを付けました。これから琉球石灰岩で階段などの仕上げが入ります。】

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【苦労したデザインでできた手すりです。手すり子には風の波、気圧などをあしらっています。】

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【大工さんは内装工事中です。広い居間の天井は「格天井(ごうてんじょう)」です。格縁はヒノキの無節ですが4mより長いため継ぎ手が必要です。棟梁の親富祖さんは「イスカ継ぎ」を使って継いでいます。内装での技の競演も楽しみです。】
posted by 塾長 at 15:21| 教育・子育て

2023年06月26日

梅酒漬け

今日、50歳で人生を見直すきっかけとなった熊本県人吉市矢岳町から梅が届きました。矢岳町には3年間住みました。棲んだ3年間でその後の人生観が一変しました。

矢岳町はその当時横断歩道がない、コンビニがない、消防車はあるけれど運転する人がいない・・という過疎地でした。150人ほどいた住民も現在は100人足らずと聞きました。

3年間での経験は大きく価値観を変え、建築観も変えました。自宅出産を始めたのもその時からです。救急車が来ても出産に間に合わないという理由からです。

そんなへき地から県知事選挙に立候補しました。数少ない応援者の一人が梅を送ってくれた「上原さん」です。
元郵便局に勤めていただけあって、ポスター張りの場所は住所だけで地図なしでも数百枚張ってくれました。

その上原さんは植木屋さんをしていますが、今年の梅酒、梅干づくりに必要な梅を何とか探して送ってくれました。今年の梅は不成でこの時期沖縄でも店頭にはほとんど並ばなく、あってももう黄色く熟しています。
梅干しには少し熟していてもOKですが、梅酒には不適です。
ダメもとで上原さんに電話すると元気な声が帰ってきました。そしてなんとその日のうちに朝から青を梅を求めて標高500mを超す矢岳町で梅を探してくれました。

そして電話がありました。「今ちぎっている」。・・・まさか・・・。行動派の上原さん。奥さんと二人で梅をちぎって送ってくれた。

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【梅酒用の梅。矢岳の上原さんが近くの梅の木になっている実をちぎってその日のうちに送ってくれた。ありがたい。少々見かけは悪いが、無農薬(野生)。愛情という別の味が加わることになった。】

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【こちらは「しだれ梅」の実。数珠(じゅず)つなぎになっているらしい。種が大きく果肉が少ないので梅酒や梅干しには適さないと言われたが、洗って口にしたら結構実はついていて甘く感じた。これはシロップ漬けにした。】

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【こちらは量が少ないと思って道の駅・人吉にあった梅も梱包に入れてくれた。まだ青い種もある。これは当然・・・「梅酒」へ。】

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【こちらは事前にインターネットで取った和歌山の南高梅。青梅の写真だったが着いたときはほとんど「黄色」だった。したがって、ほとんどは「梅干し」にする。】

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【右から和歌山・南高梅(梅酒)、しだれ梅(矢岳・梅シロップ)、矢岳の梅(梅酒)、道の駅の梅(梅酒)。氷砂糖と焼酎を入れて梅酒をつくる。焼酎は人吉・球磨地方で作られる「球磨焼酎」。銘柄は「繊月」。「繊月」とは三か月より細い二日月くらいの月のこと。今日は上弦の月で半月。一度沖縄の泡盛で付けたことがあるが失敗だった。泡盛独自のにおいが残り合わなかった経験からあえて球磨焼酎を送っていただいた。合計11本。今日から2年物の梅焼酎を飲み始めたが、やはり市販の「梅焼酎」とは全く違う味と香りと飲み心地。梅干しも約8キロ分できる予定。楽しみが増えた。】

今日の田んぼ。

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【小学校5年生の授業や家族で行った田植えだったが、時間がなく不揃い箇所がたくさんあった。そこで今日、予備で田んぼの隅に置いていた苗を隙間の多い田んぼに植え直した。
そして田んぼの水に微生物を増やすために無農薬で栽培されたお米を精米した時出る糠(ぬか)をまいた。今日の沖縄は32℃。梅雨明け宣言もされたので明日から暑くなる。それを見越して浮草を入れていた。直射日光をさえぎるので少しは水温が下がると思う。
今日も田んぼに指を入れるとぬるま湯の感じだった。しかし、少し下は冷たかった。日光と地下水、土の栄養と愛情で元気に育ってほしい、と願った】
posted by 塾長 at 00:35| 教育・子育て

2023年06月20日

誕生日と「第1回鉋掛け大会」

昨日の19日は私の満72歳の誕生日でした。
小学3年生の時亡くなった父親が55歳だったので、それを目標に生きてきましたがお陰でまだ生きています。

一度の人生、大きな目標をもって何事にも一生懸命で生きてきましたが、多くの皆様にご迷惑をおかけしてきたことには常に反省しております。

今年は年男。第7子の「万然(ばんねん)」、小学6年生と同じうさぎ年です。西洋では誕生日といえば出産の日として盛大に祝います。しかし日本では「妊娠期間の命」もカウントするので、「数え年」が残っていて正月元旦に家族が一堂に会して、お互いに「あけましておめでとう!」というしきたりがあります。つまり元旦に数え73歳をすでに迎えていたことになるので誕生会は質素に行いました。

・・・とはいえ今の時世にも合わせなくてはならないので世間一般の常識の誕生会に合わせて、昨日もそれなりに行いました。

小学生二人からは手書きの絵画とメッセージ、特殊支援学校6年の万然からは前日の「父の日」のプレゼント。偶然にも毎年お正月にお参りしている出雲大社沖縄分社のお守りと同じ「無事、カエル」のメッセージが入っていました。一番下の「心然」は「ウルトラマンの父の歌」と「ウルトラマン銀河」、「にじのうた」を大きな声で歌ってくれました。次女は仕事の帰りにケーキを買ってきてくれました。妻はボロボロになっていた靴を買ってくれました。
ありがたいことです。これからは仕上げの期間に入っていくので、子育ても仕事も継承すべきものは継承し、よくない風習は省いてきたいと思っています。

さて、同じ19日は楽しみにしていた「カンナ削り大会」。現場の大工さんからそれらしき大会をしようと意見が出ていたことを聞いたので、正式に「第1回鉋(かんな)削り大会」と銘打って現場で開催しました。

・・・とはいっても昨日は一人(大城さん)は用があってお休みだったので参加者は、現在現場に入っている6名。しかし、伝統的な木工事をしている現場だからこそできるイベント。大いに賛成!だから「伝統建築『これから』研究会」が主催することにしました。

予定になかった賞金も、なしなしのポケットマネーから捻出して大いに盛り上げようと思いました。

午後3時の休憩の時間を利用しました。削る順番はアミダくじで決まっていました。一番は現在の棟梁の親富祖さんです。以下清島さん、横田さん、仲宗根さん、上原さん、見習い大工の亜和(あや)の順です。

目的の半分は交流して親睦を深めること、あと半分は自己研鑽です。

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【ニコニコ顔だった大工さんたちもいざ鉋(カンナ)を手にすると緊張したうえ真剣になりました。】

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【以下、清島さん、横田さん、仲宗根さん、上原さん、亜和(あや)の順で削りました。これから内部造作が本格化するので開催時期としても良かったと思います。】

みなさん真剣に取り組みました。なるべく木の表面をなるべく薄く仕上げて、木の美しさを引き出そうとするイベントです。最近は加工された造作材を組み合わせる手法が圧倒的に多くなり、現場からノコギリやカンナ、ノミなどが消えていきます。機械の加工が主流になって現場では機械の音がうなっているのが現状です。

匠の技は手道具で決まります。機械力への依存が増えると腕が落ちるのではないかと思っています。そのようなことから今回のイベントは、個人の腕前が実際どうなのか、みんなの前で競争することになったので、大工職人としては「真剣」になるはずです。

結果、最優秀賞には親富祖さんが受賞しました。カンナ削り出た鉋くずの厚みは0.016oでした。

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【0.013oの記録を出した親富祖さん。】

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【以下、0.017oが二人、0.018oが一人、0.0022o、あやは0.031oでした。しかし、この現場だからできた大会でした。みんさん、お互いのカンナを比べたり、刃の出し方などを研究していました。このような自己研鑽の結果がいい仕事に結びつくと思います。残念ながらあやは一番熱くなりましたが、まだ経験2年の見習いとしてはよくできたと、ほめてあげたいです。】

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【表彰式。最優秀賞を受けとる親富祖さん。】

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【ここでは「子」ではなく優秀賞の受賞者として表彰。】

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【競技中は真剣でしたが終えれば和気あいあい。今度は絶対勝つと決意することも大事。ただ緊張感から解放され久々現場に笑顔が戻りました。けんかをしていてはいい仕事もできません。
気持ちだけしか入れていない賞金なのに、照明にかざして中を想像する人もいて笑いを誘いました。みんな喜んで切れてよかったと思っています。】

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【18日(日)は裏山の牧場の下の牧草地前の道を清掃しました。お互い顔を合わせていますが、なかなか言いにくいことがありました。それは牧草刈りしたあとの清掃がなされていないため、その後の雨で側溝が詰まり、その掃除が大変なことです。偶然会ったのでその旨を話しました。「気づかなかったです。」といわれみんなでそのあと道路を掃きました。きれいになったのでお互いによかったです。】

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【同じ18日の日曜日、妻が務める郵便局の駐車場の草刈りもしました。ここは馬とヤギを連れていき、人間も一緒に草刈しました。】

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【今日(6月20日)の田んぼです。小学5年生が植えた稲も大雨にも負けず少しずつ伸びました。その他の家族で田植えした苗も同様です。梅雨が明けたら、一段と力強くなると信じて、毎日見回り欠かさず、水の調整をしています。】
posted by 塾長 at 19:36| 教育・子育て

2023年06月15日

田植え、その後。「どっこい、おいらは生きている!」

6月5日、北中城小学校5年生約150人で田植えをしましたが、その前に代掻きや畔づくり、馬ふんのたい肥作りなどをしました。その時(5月25日)の取材がやっと今日出ました。

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遅いよなー。沖縄の新聞は・・・。

慰霊の日が近いので、沖縄の新聞は「戦争」の記事が増えます。毎日毎日、地上戦の悲惨さや平和の希求、在沖米軍基地や自衛隊基地反対に関する記事が載らない日はありません。
交通事故防止のため、警察は免許更新時に重大事故の悲惨な写真を用意して見せますが、あれと似ています。ひどい状況写真をどれだけ見せても事故は減りません。

人間も動物なので理想だけでは生きていけません。感情や考え方(価値観)やさまざまな「欲」があります。また国の体制も異なります。

「話せばわかる」という人がいますが、「話しても分からない人」や「国」もあります。今どき戦争を好きな人などほとんどいません。わからない同士でも、「それはしてはいけない、それを言ったらいけない。」ことはあると思います。
一定の自律心があれば、交通事故もけんかも減ると思います。

先日中学校から慰霊の日に向けた活動に対する承諾依頼がありました。慰霊の日までに沖縄で亡くなった戦没者の名前を生徒に読ませるというものでした。その発表とユーチューブに載せてもいいかというものでしたが、両方ともお断りしました。
多分、ほとんどの生徒や家族は承諾したと思いますが、我が家の家族会議では主催する団体の代表者が政治的であったこと(政党所属)や、目的は立派でもあまり世の中のことを知らない中学生を利用しているように感じたからです。
自分の考えが正しいと信じることは悪くはありませんが、それを押し付けたり無理押しするのはどうかと思います。

さて沖縄は梅雨前線の影響でこの2日間、大雨でした。
気になるのは田植え後の苗。毎日朝夕、水の調整をしていますが、大雨と分かっていたので少し落とし口の高さを上げました。

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【雨の降り始め。】

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【14日は大雨洪水警報が発令されました。まさに土砂降り。家の前の道路側溝の集合マスから雨水が吹きあがっていました。木造の家のせいか、ドードーという音とともに振動さえ感じました。】

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【6月15日、田んぼを見に行くと水位が上がっていて、落とし口からは水がたくさん落ちていました。】

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【田んぼの上からの水はトンボ池でまとめます。田んぼに入らないように分水しています。】

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【最終的には田んぼの水は沈砂池に入ります。】

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【6月15日昼頃、苗は元気でした。水の中に沈んでいる苗もありますが、日光は当たります。面白いことに棚田は下に行くほど濁っていました。徐々にそれらも澄んでいきます。】

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【家は山の中腹に建てました。建てる前にまず水みちを作りました。上から重力で落ちてくる水をたくさん分水させてがけ崩れを防止しながら一気に側溝に流れ込まないようしています。いわば「都市型洪水の防止」です。なので途中に池があります。最後の池は水車小屋の下の池です。ここは地下水の余剰水を取り込んでいます。表流水と合流するのであっという間に小さな池はオーバーします。
この小さな池にはメダカや闘魚、金魚が棲んでいます。
溢れ返る池の水を見て、「世界で一番小さな魚であるメダカはきっと流れて行ったろうな。」と思ってのぞいてみると「どっこいおいらは生きているぜ!」と言わんばかりに姿を現しました。(手前左)

あの小さなメダカは、小さな体で大雨の降ることを事前に察知し、池のどこかに身を隠してじっと水の勢いに飲み込まれずに耐えたのだと思います。
人間もメダカの野生力に学んだ方が良さそうです。ちなみに池の中の海老やカニ、田んぼのアメンボもみんな復帰していました。】
posted by 塾長 at 23:13| 教育・子育て

2023年06月12日

新連載「歴史に学び 文化で築く」スタート!

「建設論壇」で6回(2か月に1回)の連載を終えましたが、今回は同じ「沖縄建設新聞」で毎月1回の割で「歴史に学び 文化で築く」を書くことになりました。
その第1回目が掲載されました。

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【今回は少しラフに書きたいという希望がかなえられて、コラム形式になりました。時数も「建設論壇」の半分くらいです。独自の考えを公的に書けることはありがたいことです。】

また次女の亜和(あや)は10日、(株)国建(くにけん)の常務、平良 敬さんのご紹介を経て、首里城復興工事の木工事を担当する(株)社寺建の代表取締役・会長 山本 信幸棟と面接し、就職内定しました。

もうしばらく現在の仕事に没頭しますが、その後は伝統建築への道にひたすらまい進すると思います。

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【山本棟梁を待つ間、平良常務から首里城の経緯を写真で説明を受けました。】

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【以前の復興時には山本棟梁は副棟梁で全体を見ていたらしく、山本棟梁がその時描かれた施工図を見せていただきました。なつかしいトレッシングペーパーに手書きの図面。素晴らしかったです。
実は平良常務も同じ現場で監理されていたらしく、再び同じ現場で仕事をすることになったということです。旧知の仲なので阿吽の呼吸で仕事ができている、と仰っていました。】

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【初対面で緊張していた亜和も内定できて少し表情が緩やかになったようです。頑張れよー!
左から国建の平良常務と私、亜和、右が山本棟梁。】
posted by 塾長 at 11:51| 教育・子育て

2023年06月05日

「田植え完了」

台風2号の影響で当初予定していた2日(金)には右2番田のみしかできませんでした。
休みを先にとっておいたので変更できず、返し風の強風が吹くなか、強行しました。
雨のせいで水かさが上がっていたので浮いた水の勢いや強風でだいぶ苗が折れたかと思います。

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【少ない人数で強行した右二番田の田植え。台風休みの「心然」も応援しました。】

6月3日の土曜日は妻以外は中学生一人と小学生二人、高校生一人が応援できました。8枚の田んぼのうち残り5枚(田んぼ面積の広い左右の一番田2枚は学校の教育用に残すため)を終わらせる予定でしたが、やはり無理があり左四番田だけが田植えできませんでした。もともとすべての田んぼが小学校の教育用です。

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【これまでの田んぼは人吉市矢岳町の時は休耕田の復活(3か年)、あとは我が家の周りの開田しての田植え(7か年)でした。今回のように畑の休耕地の開田ではありません。また、農薬や化学肥料は一度も使ったことがありません。今度の土地は一部、田芋畑であったり、ドラゴンフ均すルーツ栽培をされていたので土壌が様々でした。さらに田んぼが約3Mの傾斜地にあるので棚田にするのに大変でした。凸凹の土地を平たんにしたつもりですが、固い地盤や柔らかい地盤が複層していて代掻きに手間がかかりました。

田植えもだんだん要領がよくなって、小分けした苗を田んぼに浮かせて田植えする人に運ぶようになりました。
天候に恵まれたので左3番、四番、右二番、三番までできたので前日と合わせて5枚完了です。】

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【土曜日まで残った最後の左四番田も終了しました。これであとは総合学習で来る子どもたちがする田植え、左右の1番田のみになりました。ただ5年生がほとんど初めて体験する「田植え」。現場到着が9時前だとしてもわずか1時間半で終えなければなりません。
そこで残りの家族で条間(横25センチ)と株間(縦30センチ)に糸が張れるよう、建築でいう「やり方だし」をしました。】

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【明日の「田植え」用に最後の代掻きを自分でしました。このあと「田植え」がしやすいように水位も下げました。】

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【今日(6月5日月曜日)の田植え着手前の田んぼです。上が左1番田、下が右一番田。】

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【総勢150名の田植え。簡単に説明をした。特に総合学習の時間なので単なる稲の生産ではなく、人格形成を意識した話をしました「「田」には「田の神様」(九州では「たのかんさー」)山には山の神、地下水には水神さんや道には道祖神など日本には八百万(やおよろず)の神様がいる。だから神聖な「田んぼ」に入る前には相撲の土俵や柔道の畳に出入りする時のように軽く頭を下げて心の中で「入ります」と言って入ってください。」と話しました。
また、「田植え」のやり方の注意も当然しました。「植え付け方」や、テキパキ、言ったとおりにしないと遅くなって終わらない、ケガをしやすい。一列終えた確認をしたら、「いいですか、バックしますよ!」と声を出して確認すること、など指導しました。】

校長先生の指導.JPG


【崎濱校長先生も児童に直接指導していました。】

これぞ田植え風景.JPG


【これぞ「田植え風景」。一列に並んで整然と、かつ、楽しくできました。8枚のうち一番広く、一番上流にある「左一番田」です。480株以上あります。】

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【「左一番田」一足先に完了。時間内によくできました。】

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【「右一番田」の「田植え」の様子。左一番田より面積は少し狭い。作業は遅れ気味・・。】

こちらも田植え風景右一番田.JPG


【段々慣れてきて早くなりました。】

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【四角に囲った部分から外れた畔際(あぜぎわ)の田んぼにも、丁寧に植え付けてくれた。右一番田、完了。気の利いた子どもはどこのグループにも必ずいる。「言わずにする人上の人、言われてする人中の人、言われてせぬ人、下の人」と口ずさんでしまった。】

これで我が家の家族と小学校5年生たちのコラボレーションの「田植え」が終了しました。擦過傷のやちょっとした切り傷を負った子供もいましたが、なんとか苗の成長に合わせた「田植え」はできました。

土の感触や水の温度、稲の株分け、縦横の通り合わせ、植え付けの難しさ、炎天下の作業、完了した達成感・・。子どもたちの受け止め方はさまざまだったと思います。

これから草との共存、水の調整、倒れた苗の修復などなど、毎日、田んぼの見回りをしながら、自分自身も鍛錬したいと思います。

「学校のみんな!時々成長ぶりを見に来てよ!太陽と水、土、栄養以外の「愛情」を稲たちは待ってるからねー!。」

参照 北中城小学校HPにも掲載されています。
http://www.kitanakagusuku.ed.jp/kitasyou/fuukei/archives/1018
posted by 塾長 at 19:30| 教育・子育て

2023年05月30日

田植え間近・・

台風2号が迫っている中、苗はすくすくと育っています。

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これまで熊本の人吉市矢岳町や沖縄の北中城村で無農薬、無化学肥料による稲の育ち方を見てきました。しかし今回は小学5年生が相手。しかも林間学校と違って大勢でかつ、授業時間が短いのでやり方を変えました。

「田植え」が間近に迫ってきました。これまでは畔の近くから徐々に縦横の間隔を確保しながら植え付けてきましたが、今度はそういうわけにはいきません。株間(横・25cm)や条間(列間・縦・30cm)が畔に合わせるとばらばらになります。風の通りが悪くなり、病気の原因にもなります。
途中で草刈りの時期が来ても、苗の間が曲がりくねっていては根を踏んでしまうと思い、一応、基本は直角のラインを設定し、子どもたちが一列になって後すざりしながら「田植え」をするようにしました。

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【ついつい「建築」の癖が出てしまいます。長手の畔に合わせて糸を張り、「大矩」(おおがね)を作って直角を出しました。さらに対角をあたって数値が合致するのを確認して杭を打ち、ラインを引きました。】

「田んぼ」づくりの話はなにせ急でした。大した計画はありませんでしたが、地形を変えたくない一心で、目で見ながら水平や広さを決めていきました。もともと預かった農地が扇型なので田んぼも四角になりにくく、したがって畔幅も狭かったり広かったりしています。

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【道路から向かって右側の田んぼです。高低差が3m近くある棚田です。】

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【手前から「左一番田」から「二番田」、「三番田」、「四番田」とラインをひもで表しました。これに沿ってバックしながら田植えをしようと考えています。人吉市で田植えしたときはほぼ円形の田だったので、畔に合わせて丸く田植えしたら、風の通りがよくなかったのを覚えています。】

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【下から見るとこんな風になります。手前が「左四番田」。】

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【家族総動員で毎週田んぼの手入れです。小学生だけではとても満足のいく田んぼにはなりません。何回も代掻きをしないと田んぼの底は凸凹です。】

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【4歳の心然(しんねん)は途中で家に帰りました。帰って障がいを持った兄ちゃん(万然・ばんねん)の世話をします。愛犬バンビーと一緒に帰りました。・・・といっても歩いて2分の距離です。】

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【25日、3組4組が馬糞のたい肥を田んぼに入れましたが、追肥を作っておかなければなりません。新しいたい肥作りも少しだけしました。馬糞に米ぬかと周りの草を混ぜて積み上げました。昨日温度を測ったら57.5度に上がっていました。またいいたい肥ができると思います。】

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【私はもともと設計者。田んぼづくりが主ではありません。台風2号の接近により足場に張っていた安全ネットを外しました。そうしたら建築中の現場の全貌が少し見えてきました。敷地に合わせて徐々に「すがり」の屋根がだんだんい見えていますが、大工さんも瓦職人さんも苦労したところです。
ややこしかった分、出来上がると苦労も吹っ飛びます。もう少しの時間、頑張らなければなりません。】

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【スロープ側のエレベーションです。】

田植えは2日の予定です。沖縄に接近しますが、海水温が低いので勢力は徐々に弱くなっていくのではないかと踏んでいます。自然にはかなわないので、もう少し経過を見守ります。
posted by 塾長 at 10:18| 教育・子育て

2023年05月25日

「田んぼの授業」第2陣「馬糞のたい肥」

今日は北中城小学校「田んぼの授業」(5年生・総合学習)の第2陣、3組と4組が訪れました。

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【前回の1組2組と同様、返事・挨拶と集合・注目の指示は確実に守ってもらうことを約束し、「事故がないよう気合を入れてがんばるぞー!」と心をひとつにしました。「エイ、エイ、オーッ!!」】

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【今日の作業は畔の補修とたい肥入れ。第1班で畔を固めましたが、相手は「クチャ」。乾燥すると割れてしまします。稲わらをそのまま下に入れ土をかぶせましたが、やはり割れは生じました。「田んぼづくりは畔づくり」。そこでもう一度「代掻き」を行い、高いところの土(クチャ)をバケツに入れて「島尻マージ」と混ぜました。漏水防止のため、さらに稲わらを4〜5センチに切り、「ワラすさ」を作りました。これに「島尻マージ」と「クチャ」を混ぜた土で畔の補修をしました。「ワラすさ」は2日間浸水させて柔くして混ぜました。】

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【一方で、別なクラスは馬糞のたい肥を「手んぐり(手渡しリレー)」でリヤカーに運び、田んぼまでリヤカーで運びました。「リヤカー」を引いたこともない子ばかりだったので、「上り坂」と「下り坂」での引き方を先に教えました。リヤカー事故が多いからです。
畔補修と馬糞のたい肥まきが同時になったので、元気でにぎやかな田んぼづくりになりました。あくまでも人間ができるのは「田んぼづくり」です。稲は自分で育つので「稲づくり」とは言わないようです。】

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【「馬糞のたい肥」まきで減ったたい肥小屋に新たに「たい肥」を作りました。馬糞に完全無農薬の米ぬかと周りに生息している草を入れながら積み上げました。またいいたい肥ができると思います。馬糞は豚糞や牛糞より糞そのものには栄養はあまりありませんが、たい肥になると栄養分が一番多いと思います。我が家の「ゲン」ちゃんは草しか食べていないので、結構な繊維質で多くの微生物を持っていると思っています。「ハエ」一匹いないほどいいたい肥をまきました。】

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【下流に迷惑をかけないようにするため、足や長ぐつに付いた土をグレーチングで取りますが、その下には可動式の箱を特製で作りました。箱に落ちた土はまた畔に戻します」】

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【毎日苗には水を掛けます。ペットボトルを使ったじょうろです。】

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【苗床の苗もだんだん伸びてきました。朝見に行くと夜露と内部から出す露で幻想的なシーンが見れます。】

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【ヤギは私たちの作業を黙ってみていました。】

これで4クラスの全員が田んぼに来たことになります。今日の説明では私の畑にの土1グラムに490個体の大腸菌、一般細菌が450万個いたこと、馬糞には34億万個、たい肥になると16万個に減ったことなどを話しました。
また現在は「砂漠」と一緒で生物は少ないですが、これに馬糞のたい肥を入れて「田んぼの森」にすることなども話しました。
微生物という「分解者」がいないと、地球は糞と死体だらけになるといって前回の「水の循環」と「物質循環」の話を同時にしました。

化学肥料は成長の特効薬かもしれませんが、漢方薬のようなたい肥は総合力に長けていて川や海を汚しません。
やはり稲は「本物」の自然の中でそだてるべきであり、そこに教育的な意義があると思います。

「田んぼ」が「森」のようになると、砂漠と違って多様な生物が寄ってきます。楽しみです。

「田植え」は6月2日の予定です。(台風の影響で変更するかもしれません)以上、今日の報告です。
posted by 塾長 at 22:27| 教育・子育て

2023年05月21日

育苗棚づくり

昨日の土曜日は家族で育苗棚を作りました。

種まきをした後の稲はどんどん成長して、1週間で数センチまで目が伸びました。育苗箱の高さに板を入れて多少伸びてもなんとか上の育苗箱の底に届かないと踏んでいましたが、沖縄の気温ではあっという間に成長して底に着きそうでした。

19日に畔づくりに小学生が来ました。校長先生に「明日家族で育苗棚を作ります!」と告げました。
予定通り朝6時から育苗棚づくりを始めました。

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【育苗箱の稲の種から、「根」と「葉」の「芽」が伸びているのが分かります。】

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【予算も余裕のお金もないので、家や前の人が残していた古材などを使い、人手は家族ですることにしました。20箱の育苗箱を重ねることにしました。骨組みは前借りていた人の仮設の屋台骨を使いました。しかしこれが相当変形していたので、できる限り水平・垂直になるよう柱の倒れを直すことから始めました。そして残り物のブロックを敷き水平を見てセットしていきました。
育苗棚は「水平」でないと水が均等に回らないため正確に行いました。】

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【種の時は水を掛けず、ずっと暗室の中で成長します。しかし芽がのびると薄暗くして徐々に明るくしていき、水もたっぷり上げます。】

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【育苗棚に屋根を付けました。その下に育苗箱用の日よけの遮光シートを張ります。横雨が入っても直接遮光シートの隙間から雨が落ちないように勾配をとりました。】

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【遮光シートを受けるための板を張ります。手前2枚は可動式で、水かけをするときには外れるようにしています。】

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【壁と天井の角にも遮光シートを受けるための骨(板)も、取り外し自由にしました。】

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【建築専門家のなので、どうしてもその癖が治りません。筋違いや方杖などを入れて骨組みを補強しました。】

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【遮光シートを張り終えて完成しました。今は2重にシートを張って陽の光をさえぎっています。風は通ります。少しずつ成長に合わせて1枚外していこうと思っています。
多少の雨風では倒れないと思っています。】

さて今日は25日の第2陣(5年3組と4組)の来訪のために馬糞のたい肥の点検をします。次回は稲わらを入れた土でさらに畔の補修をし、ひとクラスは馬糞のたい肥運びと新しいたい肥作りをしたいと考えています。

今回は総合学習の時間。無化学肥料と無農薬の田んぼから学ぶことはたくさんあるので、教育的な意義は深いと思っています。
「返事・挨拶」、「注目・集合」を守って事故のないよう、慎重に、かつ、元気に次回も学習指導をしたいと思っています。
posted by 塾長 at 07:15| 教育・子育て

2023年05月19日

「田んぼの授業」代掻き

昨日の大雨も止んで、今朝は晴れてくれました。

今日は5年1組と2組が棚田に来ました。総勢約70名。
総合学習の時間なので、「稲の栽培」の説明ではないと考え、稲作を通して人間性の向上や社会性の確保などを中心に話しました。

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【昨晩までに作った田んぼの配置や段差、水循環図をみせて説明しました。スケジュール表といい、偏面・断面といい、なんとなく「建築家」の味が出てしまいます。】

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【8枚の田んぼの名称や水みち、タンクの位置、湧水池の方向、沈砂池の役割、トンボ池そして「田んぼづくりは畔づくり」の意味などを説明しました。特になぜ「無化学肥料」や「無農薬」で稲を育てるか、ということを熊本の水俣病を例にとって話しました。】

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【次はいよいよ今日の作業内容の説明です。今日は「代掻き」が主な仕事。家族である程度していましたが、約60坪もあるので子どもたちにしてもらいました。まず私がぬき板を使ってならすことに・・。一週間前には中3の「こはづき」が手製の「トンボ」をを使って水平にならしましたが、とても小学5年生では無理なので板にしました。】

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【見よう見まねで子どもたちもしました。結構、上手です。水位を少し落として不陸が分かるようにしました。高い部分は手で取って、種まきの時ふるいに掛けて残った島尻マージと、この土地の「クチャ」を混ぜて畔の壁割れ補修に使うことにしました。】

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壁.JPG


【「畔壁からの水漏れがあると田んぼは枯れるのでしっかり割れている畔の壁を塗ってください!」「はーい!」といってみんなで壁塗りを始めました。こんな時は「数」だなぁ、と思いました。おかげでだいぶ割れが減りました。】

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【ケガをしないよう、そして元気に作業をするよう気合を入れました。「エイエイ、オーッ!」子どもも先生もみんな元気!元気!いいぞその調子!】

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【今日の結果。上等です。また割れたらまた補修します。あくまでも教材としての田んぼづくり。個人の田んぼづくりの応援ではありません。子どもたちにもそのあたりは話しました。】

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【帰り際、育苗棚の覆いをそっととってみたら、もうだいぶ芽が伸びて苗になりつつありました。今週末は苗棚を作ろうと思います。】

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【飼っている与那国馬の「ゲン」が田んぼの水を飲んでいました。泥水だったけれど、無農薬、無化学肥料なので安心です。】

さて5月25日は第2陣の3組と4組が来る予定です。次は馬糞のたい肥運びと、たい肥作りが主で、壁の修復や代掻きの補正もあるかもしれません。

今日の私の最後の言葉は、「冷蔵庫や洗濯機にはアースがとってあるだろう。君たちも時々体に溜まっている電気を地球(アース)に返したほうがいいよ!」そして、「人間以外の生きものに気遣いすること」や、「運動会でも赤組だけでは勝負できないでしょう。相手があるから運動会が楽しくできる。稲を育てるには人間だけではできない。相手になる土や水や太陽に感謝しよう!」でした。

みんな「楽しかった!」と言って元気に歩いて学校に帰りました。ケガもなく無事今日を終えました。
posted by 塾長 at 18:02| 教育・子育て

2023年05月14日

「田んぼの授業」たな田教室スタート!

いよいよ子どもたちを相手に「田んぼの授業」が始まりました。

通常の授業ではありません。水に漬けていた種もみから葉と根の芽が出てきたので、この週末にはどうしても播種をしたいと学校に伝えました。種まきなので多くの児童は必要ありませんが、育苗箱に入れる土をふるう作業は我が家の家族だけでは無理があるし、学習の意味からも児童の一部はかかわってほしいと考えていました。

今月19日と25日に2クラスずつ授業があります。これからが本格的な授業となります。

昨日朝、4人の5年生と崎濱校長が見えました。

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【礼儀正しく挨拶・自己紹介がありました。後藤家と合同でするため、家族も挨拶・自己紹介して和気あいあいのうちにスタートしました。我が家は仕事や日曜参観などで7人しか参加できませんでした。】

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【まず、地形を変えずに棚田を学校と一緒になって作ったこと、地下水をいただくこと、下流に迷惑をかけないため「沈砂池」を作ったこと、化学肥料を使わないことなどを話しました。最後に今日の作業内容を説明しました。】

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【まず育苗箱に入れる土をふるいます。3ミリ目の網を張った「ふるい」に島尻マージを入れ二人で息を合わせてふるいます。大工見習の亜和(あや)が夜に作ったふるいです。最初は息が合いませんでしたが、だんだん慣れてきました。】

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【育苗箱は20枚必要なので、わが家族も応援しました。】

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【与那国馬の「ゲン」も作業を見ています。いい里山の風景です。】

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【ならした育苗箱の土に水をたっぷりかけます。空いたペットボトルに専用のキャップ(153円)をつけると持ちやすくいい感じのシャワーの水が出ます。普通の如雨露(じょうろ)ではシャワーの水の粒が大きすぎます。】

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【崎濱校長が手本を示すように水をまきました。】

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【芽が出てきている「種もみ」をこの上にまきます。種もみは乾燥したときは800グラムでしたが、1週間水を含んだら1キログラムになっていました。ひとつのパレットに約50グラムずつの目安でまきました。決して「密」にしないよう、また、弱い芽を壊さないよう丁寧にかつ、やさしくまくように指導しました。赤ちゃんと一緒だもんね!】

土をかぶせます.JPG


【種もみの上に軽く土をかぶせます。そしてまた水を掛けます。】

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【3段に育苗だなを重ねた上に黒のシートを掛けました。これからしばらく葉と根の芽が伸びるのを待ちます。これで今日の授業は終了。心地よく、楽しい作業でした。】

ひとまずケガもなく最初の共同作業ができました。学校で失敗したバケツ稲の話を聞きましたが、種もみをまいた土が冨栄養だったのかもしれません。今回は単なる土。稲は頑張って強く生きます。稲の生命力を引き出すためには、冨栄養は稲のためにはならないようです。人間と一緒で強くたくましく生きるには、幼少の頃の甘えはよくないと思いました。
posted by 塾長 at 08:24| 教育・子育て

2023年05月12日

いよいよ自給自足(閉鎖鋳型生態系)の到来か?

5月4日付の八重山日報一面トップで小浜島の生コンプラントが閉鎖されたニュースが報じられました。沖縄本島の新聞には掲載されていないと思いますが、ことは重大です。

これは単に生コンが製造できないというだけの話ではないように感じました。つまり、日本も小浜島のように、島国なので同じようなことが起きかねないと思うからです。
沖縄本島の人は小浜島のよう島を「離島」と呼びますが、沖縄本島も日本列島からしたら「離島」だし、日本も大陸からみたら「離島」ではないかと思います。

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【八重山日報の記事。印刷が斜めになってしまいました。すみません。】

島は海で囲まれている分、感染病も入りにくいし、防衛もしやすいと思いますが、一方では孤立し兼ねません。日本も江戸時代まではほぼ自給自足できていました。暮らしはある程度安定していたと思います。しかしながら明治以降のオープンシステム(開放型生態系)になったため、外国の影響が大きくなりました。

食料自給率は40パーセントくらいです。燃料はほぼ輸入です。よほど国際関係がよく保たれないと息詰まる危険をはらんでいます。特に中国に依存した経済は危険極まりないと思います。

小浜島などの小さな島での暮らしでは生コン以外でも、ストップしてしまう可能性が高いと思います。台風の時の沖縄本島を見ると明らかです。船便が止まると食料や飼料、建材がストップします。

日本全体でいうと「森の国・日本」なので、循環する素材としての「木」をもっと利活用、循環させるほうが安定するのではないか、と思います。最近は学校も木造が復活しています。小浜島も公営住宅のようですがせめて木造にすれば国内で何とかなるのではないかと思います。

熊本では明治時代に建った国鉄の駅長官舎に住んだことがあります。基礎は布石でした。使えばなくなる自然素材ではなく、循環する木材に転換すれば安定するし、地球温暖化防止にも貢献します。職人不足に課題はありますが・・。

問題は化石燃料だけではありません。現在、地球上にある循環しない資源を使いすぎると、人間の暮らしまで影響が出るのは間違いありません。政治家の方々も、本気で住宅や施設の木造化を考えてほしいものです。

さてこちらは小学校から講師依頼のあった「田んぼの授業」の進ちょく状況です。

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【種もみを800グラム、塩水選して水にさらし、8リットルのビンにた5月5日に入れておきました。毎日2回水替えをしました。すると昨日あたりから葉と根の芽が出てきました。】

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【よく見ると、種もみに泡がついています。今日水温を測ったら25℃。平均水温はたぶん20度くらい。トータル100℃で発芽するといわれているので、10日あたりで発芽したことになります。大体当たっています。芽や根を痛めたいために早く種まきをしたいものです。】

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【種もみが生きている証拠です。】

(土日にしか時間が取れないため)明日、種まきをする予定です。小学校の児童も数人は来てくれると思います。毎日田んぼの見回りをしています。元の農業用用水タンクは減っていないか、田んぼに設置した水タンクの水位はどうか、タンクから出す水と田んぼに入る水の量は同じか、8枚の田んぼの水位はどうか、などなど。

そんな時見かけた生きものたち。

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【アカトンボ】

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【シオカラトンボ(オス)】

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【アメンボ】

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【かえったばかりのオタマジャクシ】

さて明日はどうなるのか。田んぼづくりで腰を痛めたので、少し用心して活動したいと思います。
posted by 塾長 at 18:56| 教育・子育て

2023年05月08日

「田んぼづくりは畔づくり」

北中城小学校から稲作を通した総合学習の講師を依頼されスタートした「田んぼづくり」。「田んぼ」は人吉市矢岳町に3年間移住した際、休耕地を開田したことがあります。その後も沖縄で数年、自宅で細々と作りました。

急な話だったのでいろいろと大変でした。しかしながら子どもたちや学校の期待を考えると、時期を外したら進まないので家族に無理を言って進めました。

昨日夕方、やっと形だけは整いましたが、高校生の長男は足に釘が刺さりました。私も親指に屑鉄が刺さりました。他の子どもたちも朝から晩まで頑張り、やっとの思いで水を張ることができました。

「田んぼづくりは畔づくり」と言われるほど、水を漏らせない「畔」づくりにかかっています。以前からとっておいた稲わらを畔にすき、上から田の土を重ねて割れない工夫をしました。

モグラが行き来しないよう彼岸花の球根も埋めました。きっと秋には赤と白の花が咲くことでしょう。楽しみです。

ただ今回多少無理したせいか、腰を痛めたようです。途中でもそうでしたが、体を移動するとき激痛で動けなくなりました。今日は現場に行く仕事を休みました。

一番悪いなと思っているのは心然に対してです。これまで10数年間、「こいのぼり」を揚げなかったことはありませんでしたが、今年は上げる余裕がありませんでした。

障がいを持った6年生の万然にも悪いことをしました。ほとんどかまって上げられなかったからです。

しかし、きっといつか分かってくれると信じています。

せっかくなら教育的な意義が高まるよう「無農薬」「無化学肥料」で育てようと思います。昨日、種もみの塩水選も終え、現在水にさらしています。

「腰の痛さ」に負けず、がんばって育てようと思っています。

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【畔の漏水防止に稲わらを敷き込む。】

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【畔の壁の隙間をなくすためにたたく、たたく。以前は一升瓶などでたたいていたが、割れたら大変だから落ちていた木の棒でたたいた。元女子ソフトボール部だった次女は古いバットでたたいていた。】

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【壁の後は天端。自家製の「タコ」で搗く(つく)。】

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【最上部に作った「トンボ池」。さっそくカエルが産卵していた。】

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【頑張った証拠!(どろんこで)遊んだ証拠!】


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【一度終えたつもりだったが全部やり直した。超小型の耕運機もリースしたが、うまくいかず結局、「家族の手」で修復することに・・・。機械力や化学力に頼るのはやっぱりよくない。反省!】

とにもかくにも、全国的な「ゴールデンウィーク」は我が家の家族にとっては、疲労困憊の「ブラックウィーク」になったのかもしれません。ゴメンね!

しかし、実りの秋にはこの苦労した棚田がきっと「ゴールデン棚田」になっていることでしょう!期待しましょう!
posted by 塾長 at 20:01| 教育・子育て

2023年05月05日

「田んぼの授業」の準備2

連休2日目の5月4日、開田した8つの田んぼに水を引くことにしました。とりあえず水を張って、水圧が最上部まで上がるのか、水量は足るのか、均した田は水平か、アゼや底から大きな水漏れはないか、など調べました。

現在二つの水タンクへの給水はできました。ただ自分たちが引いた水で全体の水量に影響があったらいけないので心配です。農業用水の元のタンクを見ると、特に減っている様子はなかったので少し安心しました。
水を8つの田んぼに落とすとやはり機械でならしてレベルをしっかり見る時間がなかったことから、多少不陸がありました。大きな水漏れはありませんでした。

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【道路から向かって右最上部の田んぼをトンボで引きならす。この辺りはクチャと呼ばれる泥岩で不透水帯を形成されている。結構扱いが悪い。】

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【畔をタコで搗く。家にあるのモノを家族で作った道具。】

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【落とし口】

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【湧水を引き上げた2dタンクから左右の田んぼにそれぞれ水を落とす。入りと出の水量を同じくらいにしないと水槽から水がオーバーしたり空になったりするので絶妙の水栓の調整が求められる。かくして8つの田んぼにとりあえず水が張れた。奥に子どもたちが通う北中城中学校(手前)、北中城小学校(奥の上)が見える。】

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【作業の最後に妻と長男が四葉のクローバを見つけたらしい。全部で八葉。棚田の数と同じ。】

これで一安心と思いきや、やはり棚田の底の不陸が気になる。そこでやり直すことに決めた。水を全部抜いて耕運機を入れ、アゼもきちんとたたいて漏水を防止することに・・。偶然連絡したリース屋さんに超小型の耕運機が返却されると聞いて見に行った。車の後ろに乗せれるくらい小さかったので乗せて帰ってきた。昨日も家族全員で均したが、足腰、肩が痛くてどうしようもない。クチャはスコップが入らないほど固い。機械は入れたくないが、最小限の耕しをしておかないと、苗付けはできない。(硬くて指も入らない経験がある)今日は田んぼづくり2日目。仕事で連休のなかった亜和がやっと応援に入る。頼もしい助っ人である。

夜のうちに頑張って入れた落とし口の板も全部外した。・・・がんばるぞー!
posted by 塾長 at 05:29| 教育・子育て

2023年05月02日

「田んぼの授業」の準備1

最近ブログ更新ができない理由は2つあります。

ひとつはパソコンの調子が悪く(遅い)ため調べたらハードディスクの修理が必要とのこと。まだ購入して2年未満。ローンも残っているのに・・・。5年間保証だから修理費はかからないとしてもその間(約1か月半)、仕事も私用もゼロ、という訳にはいかないので、別なハードを購入することにした。まったく、参った。

現在3件を同時進行している仕事のほか、新聞社の連載原稿書き、論文の依頼、田んぼづくり・・と忙しい日々が続いています。

特に「田んぼ」は大変です。現在、子ども二人(第8子、第9子)が通う北中城小学校から総合学習で行う稲作の指導をして欲しいと相談が4月13日にありました。
聞けば去年、バケツ稲で失敗したそうです。多分、水替えが十分ではなかったと思います。

なぜ私なのかと思ったら、校長室で林間学校記録書(26)を見せてくれました。そこには稲の育ち方を記録してありました。学校側は校内での栽培を希望されましたが、水道水での栽培は自然とは言えなく、また稲の育成管理は台風や大雨で即、対応が必要。したがって家の近くの休耕地を探すことに・・・。

幸いいつも通っている具志堅さんに耕作地(休耕地)を聞いたら、「もうしていない」とのこと。地主を聞くと村内の社会福祉法人「沖縄中央療護園」の安里理事長とのこと。校長先生と一緒に貸してもらえるようにお願いに出かけました。

旦那さんも別な障がい者施設を管理されていて、地主はこの方のお父さんだったとのこと。挨拶を交わしたことはありました。ともあれ「空いている土地、教育のために有効利用してもらえるなら・・」と快諾されました。

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【休耕地だった安里さんの土地。荒れに荒れていた。】

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【沖縄中央療護園を訪ね、安里理事長夫妻に会って相談。快諾された。左から2番目は崎濱校長。「がんばるぞー!」】

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【連休前に先生方に草刈りを終えるようにお願いした。なぜなら急に決まった「田んぼの授業」。時期を失したら失敗するからだ。上は初回(7人)、下は2回目の草刈り(14名)の参加。】

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【次は家族の出番。連休にないったので家族全員で先生たちが残した草刈りや片付けをした。結構まだたくさん残っていた。】

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【草刈りの廃材がたくさん出ました(2トン車6台分)。また土留めに使われていた鉄板やパイプなどが2トン車1台分ありました】

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【さすがに荒れた畑を田んぼにするにはた作業だけでは無理と判断し、小さなパワーショベルをお願いした。お金はかかるが自腹を切らざるを得ない。先生たちも頑張っているし、一旦返事をした以上はやり遂げるしかない。】

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【水路計画、アゼ割り。上からの水をスムーズに且つ、貯留や保水をさせながら田に送らなければならない。「田んぼづくりは畔づくり」といわれる。畔から水漏れがしないことも重要だが、全体の水みちの計画も大事。上にトンボ池、下には赤土流出の防止の池を作った。全体にゆるやかな傾斜地。地形を変えないように気を配った。赤のスプレーは予定の畔の位置。】

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【ショベルが人間の手のように操作されていた。上手。これも技かな。】

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【当初、機械は1日で終える予定だったが、2日かかった。無理もない。土に埋もれていた産廃にてこずったし、水路づくりも増えたからだ。それにしても話があってから2週間でここまで出来たことは皆さんお協力の賜物。感謝です。】

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【第10子(三男)の心然は4歳。大の車好き(ミニチュア)だが、特殊車両も好き。今日は本物に乗れて満足の様子だった。】

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【熊本・阿蘇から種もみが届いた。完全無農薬の種もみ。毎月、下田農家さまから送っていただいている。
種もみはグッドタイミングで同封してもらった。】

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【曼殊沙華(彼岸花)の球根も届いた。秋を彩る彼岸花。稲の成長と実にうまく連動しする。畔の水漏れはモグラ。球根に毒素を持つ彼岸花は嫌われる。そして最後の草刈りの後の絶妙のタイミングで開花する。畔づくりは大変だがそれ以上の楽しみがある。】

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【鉄砲ユリが開花した。僕らの活動を応援するかのように・・・。】

小学校から指名があって「田んぼの授業」をすることになりました。せっかくなら「本物」の百姓の心と技を伝えたいと思っています。例えば「完全に農薬、無化学肥料」。水はお陰で「タチガー」の天然水がいただけます。これまでも人吉市の矢岳町で3年、沖縄のこの地で数年コメの育成にには携わりました。

子どもたちには「本物」を伝えます。休耕地の片づけでも凝りました。やはり自然界にないビニールや鉄、アルミを農地に使ってはいけません。左親指を切ってしましました。今度は稲わらでアゼのすべり止めをします。

昨日はもう水が湧いて棚田に溜まっていました。耳を澄ますとカエルや鳥の声が聞こえます。そしてトンボも寄ってきました。我が家は「ぬちゆるやー」(命が寄って来る家の意)ですが、ここはきっと「ぬちゆるたぁ」と呼ばれることでしょう。近くに来られたらお寄りください。連休中に畔の仕上げをします。代掻きは子どもたちの役割です。種もみの選別や種まきは自宅、苗床は「田んぼ」で行う予定です。

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【北中城小学校に渡した「田んぼの授業」のスケジュール表。】
posted by 塾長 at 04:48| 教育・子育て

2023年04月09日

法隆寺は30年

現在建築中の住宅は令和2年10月10日に地鎮祭を行ったので、約2年半かかっています。長い工期のようですが、世界遺産になった法隆寺は約30年かかったと言われています。

日本の伝統の伝統木造にこだわり、現在の法律(建築基準法等)にも合致させながら進めるにはなかなか「さっと」は完成はできません。

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【蓑甲の入母屋、一部葺き降ろしの玄関屋根に鬼瓦が座り、やっと全貌が少し見えてきました。】

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【大屋根の鬼瓦は龍と虎でした。】

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【玄関の鬼瓦は「鳳凰(ほうおう)」です。ともに人間国宝の「渡部 一馬(わたなべ かずま)」さん(愛媛県今治市)の制作です。取り付けは地元の島袋瓦工場。取り付けた瓦職人の大城さんもずいぶん苦労していましたが、立派に鎮座しました。】

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【シャチ支え。鯱の空洞部分に箱棟から斜め75度で突き出したヒノキの棒を入れます。しかしなかなかシャチの空洞部分と合わないので娘の亜和(あや)がノミを使って削り合わせたようです。水切りの鉛板も見えます。】

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【そしてセット。】

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【我が家のアマリリス。今年も無事開いてくれました。】

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【ウサギが4羽、生まれました。春ですね。】

生きていれば、仕事をすれば、動けば・・・なにかと思った通りには行かないし、腹の立つこともあります。何もしなければ、怒ることも悔しがることもないかもしれません。しかし、僕はいまだに青春時代、いや少年時代のような気持ちなので、夢に向かって邁進します。

時々、身近な自然の営みに心を奪われることで心の鎖が解けるのでなんとか生きているのかもしれません。特にこの住宅には思い入れがあって設計も施工も並ではありません。長い工期に対していろいろ言う人もいますが、信念をもって完成まで頑張りたいと思います。後世のためにも・・。
posted by 塾長 at 06:52| 教育・子育て

2023年03月28日

鬼瓦つながり

やっと玄関小屋根の鬼瓦が座りました。鯱(しゃち)はまだです。コツンと作業中に当たったら大変なので最後の最後に据えるようです。

施主直接の発注なので金銭関係はありませんが、下地を作る大工さんや取り付ける瓦師と調整が必要です。従って再三再四打ち合わせをし、電話でも渡部鬼師と話しました。人間国宝でもある渡部一馬鬼師は愛媛県今治市在住で、製作された鬼瓦二体や逆さ獅子四体、シャチホコ二体はいずれも自分で沖縄まで陸路で運ばれました。一泊だけ我が家にお泊りになり歓談しました。

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【時間はかかりましたが、やっと玄関小屋根に鳳凰の鬼瓦が座りました。シャチ支えが立っているところにシャチが座る予定です。現在、下り棟の施工中です。大屋根の方は終えていますが、棟熨斗は9段でした。形は小さいのですが小屋根の鬼瓦の付く熨斗はなんと12段になりました。鬼瓦の高さに合わせたのですが、勾配や幅などにも大変気を使いました。完全に終わってからまた写真をアップいたします。】

そんな縁があって先日他のお土産と一緒に里芋が送られてきました。この1年は家内が仕事に出るようになったため畑仕事もままならなくなっていましたが、昨日、空いたところに里芋を植えました。

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【いただいた里芋の種芋を即興で耕した畑に埋めました。馬糞のたい肥を施してるのできっとに鬼瓦と同じような立派な実をつけると思います。】

これから先は最近の心然(4歳)の活動の様子です。

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【脳性麻痺の障がいをもつ特支5年生の万然の送り迎えに使う福祉車両の手伝い風景。車いすを載せるためのスロープを出しているところ。】

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【今朝は6時から家族で掃除やエサ上げをしました。家のの前の道路側溝には地下水が流れています。その中にいたモクズガニとテナガエビを見つけました。カニの甲羅をさわったり、エビを直接握ったり・・・。豊かな自然に豊かな感性が宿ると信じて子育て中です。】

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【車に合った仕事用のヘルメットと巻き尺を見つけると、さっそくカッコつけていました。将来何になるのだろうか?楽しみです。】
posted by 塾長 at 10:39| 教育・子育て

2023年03月25日

現在・過去・未来・・・タイムカプセル、水車小屋周辺。

世界は激動していますが、小世界の家庭でも今週も目まぐるしく変化しました。いちいち書き残す余裕はありません。一日一日が本当に貴重で、かつ、忙しく、睡眠時間もままなりません。

しかし、2度と来ない今日を目いっぱい生きていくようにしています。

22日は中学校を卒業したばかりの「さわみこ」が同級生と一緒にタイムカプセルを敷地の空いたところに埋めたい、というので場所を決めて上げました。

時を経て見たくなったらいつでも見えるところがいいだろう、と思い、玄関に向かうスロープ脇に決めました。三人娘が穴を掘り、5年後の20歳になった時開けるような「タイムカプセル」です。

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【深さ60センチの穴を掘りました。】

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【タイムカプセルの中身は「手紙」と後藤家・自家製の「梅焼酎」。5年後20歳になっているので、お祝いで「お酒」を飲むそうです。まぁ、いいか!】

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【穴を埋め戻して完了。5年後熟成された梅酒をいただけるならいいが・・・。】

スロープの下には水車小屋があります。下に池を作っています。池には近くの湧水地・タチガーから流れ来る地下水が流れ込みます。

この池は15年前、住まいを建てた時一緒に作りました。林間学校を同時開催し、参加した子どもたちが木組みを体験しました。

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【子どもたちが釘を1本も使わず建てた水車小屋。この経験で子どもたちが何を学んだのか。一度聞いてみたい心境です。全員二十歳を越えていると思います】

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【スロープの先に玄関があります。ただ現在は「緑のトンネル」になっています。】

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【2年前には「屋根の草刈り」をしました。】

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【時々、上流から流れ込む土(ヘドロ化)を家族で取ります。】

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【現在、池には闘魚が棲んでいます。】

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【テナガエビの寝床にもなっています。モクズガニもいました。】

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【草刈りの草は軽のボンゴに2〜3日入れておきますが、草にまみれてカマキリがいたのでしょう。運転席の窓にいました。元に戻しました。】

半自然のなかにある住まいには、シリケンイモリやキノボリトカゲも一緒に棲んでいます。オキナワオオコウモリの棲家も近くにあります。緑地と水があるからでしょう。名の通り「ぬちゆるやー」(いぬち(命)がたくさんゆって(寄って)来るやー(家)の現在の状況です。

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【沖縄建設新聞社の伊佐記者。連載コラムの契約を交わす。】

また昨日は沖縄建設新聞社と連載コラムの1年契約をしました。昨年11月末で隔月、1500字程度の「建設論壇」を担当しましたが、今回は毎月1回、約800字程度です。ただ今回は写真が入るのでもっと読みやすくなるかと思います。初回は6月9日掲載される予定です。

伝統建築に宿る日本の木の文化を中心に、時には建設業界や行政にも辛口を書くかもしれませんが、もっと日本が好きになるようなコラムにしていきたいと思います。未来に向かって・・・・
posted by 塾長 at 16:29| 教育・子育て

2023年03月12日

4歳児の洗たく風景

今日は日曜日。家族で草刈りや清掃、エサ上げをしました。いつもより2時間遅いスタートです。
10人きょうだいのうち一番下の心然(しんねん)の行動は危険と隣り合わせなので、どうしても目が離せません。

今日は側溝掃除の際、三角分岐点(側溝下流と池に水路が分かれる分岐点)にいたモクズガニの赤ちゃんを見つけて大喜びでした。


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【作業途中でバナナの実を見つけました。沖縄はこの1週間、昼間は24℃まで気温が上がります。】

一通りの作業を終えて家に着くと洗たくを始めました。

まずはTシャツの上に着ていたジャンパーを洗って干しました。

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【シュワッチ!!】

せっかくなので4歳児の洗たく板を使った洗たく風景をのこそうと思い、ジャンパーの下に着ていたTシャツを洗う所を記録しました。

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【着ていたTシャツを脱ぐと洗たく板に伸ばして洗たく石鹸を付けて、ゴシゴシ、洗たく板の上で「もみ洗い」】

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【「もみ洗い」が終わると洗たく板をひっくり返すして「ゆすぎ」に入ります。「洗い」のときは洗たく板のひだの目は上向きですが、「ゆすぎ」になると逆転し下向きのなります。つまり、「洗い」のときはせっけん水がひだに溜まり、「ゆすぎ」のときは水が切れやすくするための先人の知恵です。】

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【ゆすぎ上がったら、絞ります。】

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【パン、パンと上下に振って、しわを伸ばします。】

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【そして木のベランダに干しました。】

大家族、ひとり一人が自分で自分のことをしてくれると助かります。また、洗たくや掃除、茶碗洗いなどが小さいころからできると、自立した時、自分自身が助かると思ってできることはさせています。

洗たくの後ティッシュペーパーの箱をあっという間に、片づけました。

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【小口にある穴に指を入れ、長手のつなぎ目を手で開き、開いて見えてきた取り出し口付近のビニールをはぎ、折りたたむ。早い早い。最後は得意の「シュワッチ!」ポーズをとっていました。「ウルトラマン太郎」ではなく「ウルトラマン心然」です。】
posted by 塾長 at 14:18| 教育・子育て

2023年03月11日

地道な活動も楽しく・・

3月9日の取材が琉球新報で記事として11日の朝刊に掲載されました。
今日の中学校の卒業式に合わせてありますが、内容はほのぼのとしていてさわやかな記事に仕上がっていました。

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【一面の「きょうの紙面から」に紹介されていました。】

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【記事の内容に少し説明を入れないと分かりにくく誤解が生じるといけないと思って記者の人に昨日連絡したら、理解したうえで修正がされたようです。(最初のゲラを見たわけではありませんが・・)】

卒業式は今日9:30からです。卒業式にふさわしい記事になったと思っています。琉球新報さん、ありがとうございました。

最近は夜が当てるのが幾分早くなりましたが、冬場は6時というとまだ真っ暗です。懐中電灯を頭に付けたり、首から掛けていくこともあります。私は一緒に行くことは少ないのですが、少し遅れてでも係留の状態を確認にに行ったりします。

どちらかというと家の周辺一帯の清掃が主で、その一環として中学校での馬・ヤギの除草(エサ)があります。ほぼ毎日連れて行っています。

当初は学校で決まった日にPTAでの除草活動が計画されますが、子どもが10人いるとその日や時間帯に参加できないときがあり、当時中学生の朴然が生活指導の先生に「馬を連れて来てもいいですか?」と相談しました。
その時「いいよ。」となったのがきっかけで、その後、毎日連れて行くようになりました。

学校も日ごろの草刈りが馬やヤギでできるため良し、我が家も草刈りの量が減るから良し、馬やヤギも除草剤の掛かっていない草を食べられるし広くてストレスも減るから良し、近所のお年寄りや幼児たちが見学に来ることもあるから良し…となった次第です。

ところが中学校まで約450mあるので朝早くから登校前に往復しなければならず、野性的に育てた与那国馬や島ヤギは簡単には引けません。しかし本来の目的である「言葉が通じなくても、気持ちはつながる」というのが我が家のモットーを「地」でいっています。

このような考えを林間学校でも伝えています。小児脳性マヒになって目が見えず、体も不自由な小5の万然との対応にも通じる話です。

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【中学校への馬・ヤギを毎日連れて行って連れて帰る活動も「言葉の通じない野性的な生きものとの対話をどうするか」という課題から出発しています。野性マヒの万然を下のきょうだいがバギーに乗せて裏山の坂道を散歩します。言葉は通じなくても、きっと心は通じていると確信します。】

この坂道を含め、家周辺の道路や側溝、花壇などの清掃しますが、裏山の農道を通る人は限られていて少ないのですが、人が見ていようが見ていないだろうが関係なく、地道ではありますが明るく楽しい活動を今後も林間学校の教材としての生きものたちと一緒に暮らしていきたいと思います。

みんな家族の一員ですから・・・。
posted by 塾長 at 07:50| 教育・子育て

2023年03月10日

名ばかりの木造、形だけの日本人

木造住宅率が沖縄で格段に増えつつあります。タイムス住宅新聞で木造住宅の連載を始めたのが「木暮らし」15回(2007年1月〜2008年3月)が最初。その後、
「新・木造考」15回(2009年11月〜2011年3月)、
「木霊(こだま)のひびく家々」9回(2014年5月〜2015年1月)、
「細部から文化が見える」36回(2017年10月〜2021年9月)と続きました。
最近は専門紙ではありますが、沖縄建設新聞1面の「建設論壇」で1年間、6回連載しました。

途中、RBCでドキュメント番組「ウチナー紀聞」(30分)や「生きもの・たてもの紀行」連載(タイムス住宅新聞)もありました。
小学校をはじめ、那覇市役所や浦添市教育委員会主催の講演会などで伝統木造住宅の講演や実演、展示などを行いました。

それらの活動が木造住宅への理解につながったとは言い切れませんが、一定の関心は高まったのではないかと思っています。

また我が家をはじめ自ら設計した沖縄市や北中城村の住宅が、全国レベルでの賞をいただいたことも社会や専門職の方々にインパクトを与えたと感じています。

わずか1%だった沖縄の木造住宅率がいまや戸建てに関しては半数を占める勢いです。しかし問題は連載やTV、講演会などを通して訴えた木造に秘められた文化や技術、日本人の心などはほとんど浸透していないことです。

今時の住宅には残念ながら構造材や壁、床下地が見えないほど断熱材や遮熱材を入れます。一体何造なのか分からなくなります。
基本的に私は、断熱材は入れたくありませんし、入れません。

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【断熱材・遮熱材は入れないのが私の原則。入れれば壁内通気が悪く、シロアリが来ても「蟻道」さえ見えなくなる。特に沖縄の寄棟は、棟木付近に乾燥した暑い空気が溜まるので、木材の内部組織が壊れ強度が弱まる恐れがある。また100℃近くなると低温発火する可能性もある。暑さ寒さもほどほど感じながら、建具の隙間から雨音が聞こえるくらいの方がいい。(過去の住宅設計の木組み)】

ただ、施主のたっての希望や国の制度によって入れざるを得ないときもありますが、その時は木に向かって「ごめんね。」と言っています。
木に謝らなければならないのは他にもあります。私は使いませんが人工乾燥された木や薬液注入された木です。かわいそうにモノが言えない木たちは高温や薬剤によるストレスをかけられても、黙って辛抱しています。
人間に都合のいいように使われて頑丈な「木造」として宣伝されていますが、実際大工さんに聞くと人工乾燥材はスカスカで粘りがないのでカンナもノミも使えないと言っています。

自然の木は自然に使われた方が本望でしょう。シロアリとは共生するくらいの自然観を持った人しか私の設計は受け入れられないと思います。また、人工乾燥だと熱処理された木材はかえって木材内部の組織が崩れるため弱くなると思います。
省エネのために断熱材をたくさん入れる方向で建築基準法が改正されます。また一方で今後は一定の床面積を超えると構造計算が必要になりそうです。
これまでは4号規定があって、500u以下は建築士の力量で構造材の寸法は決めていました。いわゆる「経験値」です。

国はコンクリートや鉄骨造のような構造に木造を当てはめようとしていますが、木造は生きた木を使うので、うまくいくはずがありません。RC造やS造とは異なり、同じ断面寸法でも木材の場合は樹種や産地、乾燥の度合い、施工精度、組み方、継手の種類などで強度は相当差が出てきます。そんなことを国は読めないのでしょうか?

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【5日の日曜日、郵便局前の花壇に花を家族で植えました。スコップ掘りも堂に入っている心然(4歳)。そのあと地下水をもっていってかけました。】

またもって木や木造の文化性も今度の改正にはひとつも配慮されていません。私が「木造住宅」しか設計しないのは、木造、とりわけ伝統的な木造住宅には長い間培われた日本の文化が宿っているからです。逆に言うと木造以外の構造では文化性はみいだせないので設計したいと思いません。
それほどこだわるのはなぜかというと、日本人が日本人らしくなくなったからです。日本の衣食住が戦後一変しました。明治以降の西洋文化の取入れのせいもありますが、今は特に戦後の快適便利の追求や使い捨ての文明、快楽主義におちいったためだと考えています。

木材の切り込みは面倒な手刻みをせず、機械任せ。規格の建材を張り合わせて断熱材を四方に入れて人工空調。自然疎外の暮らしで暑さ寒さを楽しむ感性はどこへ行ったのでしょう。
自然を親しむとして戸外に出ても、家に帰ったらエネルギーをいっぱい使って汗をかかない生活をしていては、省エネどころではありません。

長い歴史を持つ日本は、自然との親和性に富んでいました。日本の三大随筆と言われる「枕草子」や「方丈記」、「徒然草」を読むと日本人の自然観が見て取れます。決して自然を敵視していません。

ただ日本人のDNAは残っています。そこに期待して日本人がこよなく愛した「日本の文化・木の文化」を未来につないでいきたいと思います。

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【家の敷地にいた「アカマタ」を数日観察して、これも日曜日に自然に返しました。ヘビがいなくなるとネズミが増えます。何かが増えすぎると生態系が崩れます。ヘビとも共生しなくてはいけません。見かけで生きものを判断しないよう子どもたちには言いました。「げんきで、またあいましょうー。」】
posted by 塾長 at 17:46| 教育・子育て

2023年03月02日

人間はそんなに偉いのか?

人間はそんなに偉くない!
・・・と思うようになりました。

快適で便利な暮らしを考えると人間の考える科学は大したものだ、と誰もが思うかもしれません。しかしどうでしょう。国同士の紛争や戦争は絶えないし、治安がいいと言われる日本も恐ろしい事件が毎日報道されています。

人間は頭はいいかもしれないが、その頭脳は人間のためにばかり使われているような気がします。いわゆる「人間中心主義」。
TVは我が家にはないけれど、TVの番組はおいしい食べ物の話やお笑い、心に何も残らないバラエティーなどが多く、コマーシャルも過激になる一方。言葉は汚い。だからTVはない。

今日も早朝よりエサあげや掃除を家族でしました。なんとその時「ヘビがいた!」と次女が言うので見に行ったら、バケツの中に「アカマタ」がいた。もともとバケツにとぐろを巻いていたらしい。
「アカマタ」は無毒です。赤と黒の模様が入っています。

有毒の「ハブ」は黄色と黒の模様。夜中、動物に光が届くと目が赤色に光ると草食、青に光ると肉食動物と言われています。だから、我が家の犬2匹は裏山の牧場につないでいますが、真っ暗の早朝で光る眼は「青色」です。
信号機とは逆になります。夜中歩くとき、懐中電灯を当てて青だと用心、赤だと安心します。

ヘビの場合は「アカマタ」は赤で安心、「ハブ」は黄色で「危険」となります。しかし、ヘビは陸上生態系では頂点に位置します。ヘビが減ると捕食するネズミが増えます。だから我が家ではヘビは殺傷しません。逃がします。

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【エサ上げ、掃除のとき出逢ったアカマタ。しっかり観察した後、明日朝、逃がします。】

実はウサギを飼っていますが、生まれたばかりのウサギの子がネズミから食いちぎられる事件が続きました。ウサギ小屋にネズミの入る隙間があったからです。しかしネズミは隙間がなくてもかじってでも隙間を作ります。キリがありません。一番の天敵は「ヘビ」です。

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【生まれたばかりのウサギの子たち(4羽)。ネズミからことごとく食べられので別部屋に移しました。人間の匂いがうつると親が子を傷めつけるので、触れないようにして移動。新しい命の誕生は久しぶりです。4歳の心然にとっては貴重な機会でした。】

ネズミもヘビも生きている以上、罪はありません。見た目が悪いとか毒があるとかないとか関係なく、人間の主観で相手の命を絶つことはいけません。しかし、自然の摂理の中で命を落とすことは、致し方ないときもあります。ただ、あまりにも同じ種の動物が増えすぎると生態系が崩れてしまします。

人間は身勝手です。家畜、家禽(かきん)を自然界とは程遠いほど勝手に搾取した挙句、「おいしくない」とか「固い」とか文句を言っています。どこかで「人間は偉い、その他の動物の命は軽視する」。
・・・いつか天罰が下るでしょう。

日本人には「節度」がありました。最近は大鍋で大量に豚汁を作ったり、マグロの解体ショーをしたり・・。
「生きもの」を「モノ」扱いにしています。逆に「モノ」にも「命が宿っている」ことを家庭では教育しています。

戦後、西洋の影響を受けて「唯物主義」が定着してしましました。人間の成長過程でお金や地位ではなく、もっと学校や家庭で「人間性」や「自然の摂理」、「日本の伝統・文化」などを教えて欲しいと思います。

大人になったら本性が現れます。なんとも情けない人間もたくさんいます。自然界の動物から人間おろそかさを学ぶべきです。自然界の動植物の方がはるかに偉いと感じています。

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【ヘビやウサギの赤ちゃんを見た後、裏山の農道を掃除するきょうだい。4歳の心然(しんねん)も進んで行いました。すっきり!】

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【数年前に植えた「鳳凰木(ホウオウボク)」。台風にも負けずしっかり生きていました。先端に小さな芽が見えます。真っ赤な花がつくのを楽しみにしています。】
posted by 塾長 at 19:05| 教育・子育て

2023年02月27日

「日本的な人格形成」が子育ての目標!

少子化は国難とばかり、児童手当や医療費や学費の補助などが語られていますが、果たしてどうでしょうか?
もともと国策で出産数や育児方針を決めるのは、おかしな話だと思います。

地球規模の環境キャパシティ(許容)で考えるなら、日本は7,000万人前後だと聞いたことがあります。急激な少子化が問題であって、徐々に人口が適正規模になることは結構なことだと思います。

ではなぜ我が家には10人の子どもがいるかということですが、私の場合は急激な人口減少に向かいつつあったことが根底にありました。
そこで単刀直入に言えば、「日本人を増やしたい!」と願っていたからです。現在の日本社会が素晴らしいとは一概に言えませんが、50歳の誕生日に決断して熊本県人吉市の矢岳町に移住したことで決意をさらに強くしました。里山にはまだ日本人の心が残っていたからです。

長い歴史を持つ日本には伝統的なしきたりや祭り、ことわざなどが残っています。大きな神社はなくても小さな氏神を祀った神社は8万社を超します。日本人は無宗教といわれますが、約半分は神道(しんとう)と言われます。だから正月には初詣に行きます。
日本国じゅうには八百万(やおよろず)の神様が鎮座されています。山にも土にも水にも火にも神様が宿るとされる日本では悪いことができません。だから治安の良さを確保できていると考えています。

ところが最近は西洋化の波が押し寄せてきて合理的な生活のなかで、快適・快感に喜びを求める傾向にあります。だから犯罪が増えたと考えています。

周りから10人の子どもを持つのは「無計画」などと言われたこともありますが、残念ながらものすごく「計画的」な結果です。(授かりにも感謝)そしてまた「それなりに」子どもたちは日本人として育っています。

沖縄で車を運転すると鉄筋コンクリートばかりの家ばかり目につくので、息苦しく感じるときがあります。だからと言って本土の町なかが落ち着くかと言えばそうでもありません。なぜかというと、マッチ箱のような住宅メーカーが作った家も似たようなものだからです。
せっかく世界一の木造建築技術があるのにもったいない話です。私は細々ながら日本の伝統技術を継承して、その内部にある「日本人の感性」や「日本の文化」をのこしていきたいと思っています。

先妻との子が3人、現在の妻との子が10人なので13人の子を育てつつあります。(このうち18歳以上に育った子どもは現在6人)私は満71歳ですが一番下の子どもはまだ4歳です。この子が18歳になるまで楽しく元気に働こうと考えています。

最近の住宅関連の完成写真などをみると「ホテルのような部屋」を望んでいる人が増えたように感じます。外(自然)と完全に遮断され、よく片付いた部屋に子どもが2人・・・なんとも寂しい風景です。もっと生活感のあるような空間が欲しいものです。

少子化対策はお金ではない、と思います。長年子育てをしていると分かります。
確かに今は昔より子育てにお金がかかります。昔は破れた洋服を着ている子がたくさんいました。
洋服以外でも授業料以外の校納金などにお金が必要です。確かに補助があれば助かります。
しかし決定的な解決策とは言えません。(貧乏人の子沢山)最も大事なのは、親が日本が好きかどうか、だろうと思います。

礼儀正しく、勤勉で譲り合いの精神をもつ日本人が増えれば、争いごとも減ると思います。

「日本的な人格形成」を子育ての目標にして、今日も悔いのない暮らしをしていきます!

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【「敬礼」!。我が家では日常的に使います。】

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【「シュワッチ!」は「分かりました!」の表現か?4歳の心然がウルトラマンが好きなため家族中が影響を受けています。「こだまこ」9歳の誕生日に「シュワッチ!」。】

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【中2の「こはづき」たちが北中城村の姉妹町村の訪問団として先日、岩手県葛巻町(くずまきちょう)に行きました。今日届いた村の広報誌(3月号)に掲載されていたので転載します。】
posted by 塾長 at 06:03| 教育・子育て

2023年02月07日

故 東大森裕子様 謹んで哀悼の意を表します。

昨日15時32分、熊本の女性建築家、「東大森裕子(ひがしおおもり ひろこ)さんが亡くなられた。」と一報が入りました。

本人との連絡が昨年末から取れず、ずっと心配していました。熊本の設計仲間の友人に尋ねると、さらにもっと親しいご友人に聞いてみたらしくその結果、「用があるときはこちらからするので、しばらくそっとしておいて・・・」ということだったので、「きっと何かご事情があるのだろう、とりあえず元気なら待ってみよう。」と考え、心配はしながらこの3カ月ほどを過ごしました。

そして昨日の訃報。ショックでした。

心の整理がつかないまま、インフルエンザで休んでいた家内と情報を共有しました。お話によると死因はガンで、あちらこちらに転移して最後は多臓器不全に陥ったと聞きました。その前に転倒による骨折をされていて体も弱っていたのではないかと思われます。

私よりひとつ下で満71歳だったと思います。早すぎる人生です。最後にお会いしたのは2018年12月、建築学会の奄美大島での大会後、沖縄に来られた時です。自宅を案内した後、嘉手納基地内を子どもたちの合気道の師匠であるグランダー・ケン先生に案内してもらい、私も同行しました。自宅近くの国指定文化財の中村家も12代当主の中村さんに案内してもらいました。

自宅学習棟で.JPG


【2018年12月16日。奄美大島経由で沖縄入り。初めて自宅訪問。学習棟で「宙に浮く心柱(実物)」と「宙に浮く心柱の模型」を見学。】

2018年12月16日来沖.JPG


【第八子「こだまこ」と第九子「わかみこ」とすぐに仲良しに・・・。右端が東大森さん。】

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【せっかくなので在沖米軍嘉手納基地内を子どもたちが習っている合気道のケン先生に案内していただいた。詳細は当日のブログにあります。】

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【国指定文化財・中村家住宅を当代に説明していただきました。沖縄で最も古い住宅。】

歌の披露.JPG


【どなたが見えても子どもたちが歌を歌って歓迎します。大喜びで合掌を聞く東大森裕子さん(右端)でした。子どもを見る優しい視線が忘れられません。】

その前は人吉市矢岳町にある旧国鉄矢岳駅駅長官舎(国の有形文化財)を売却した後、熊本市内で昔の建築士会の友人の仲間と会うときに、仲間への連絡などを全部していただきました。おかげで久しぶりに皆様とお会いできました。
いつでもそうですが、とても世話の届く方でした。また心配りもきめ細かく、連絡が途絶えていても、クリスマスのプレゼントが今年も届いていました。毎年10人の子どもたちは毎年欠かさず届くプレゼントに感謝しています。

3月28日 (新家族.JPG


音楽館で紹介.JPG


【2018年3月18日。熊本市役所近くにある「音楽館」。私の熊工時代の同級生が歌手兼経営をしている店です。ここでも東大森さんは子どもたちへの飲食に気を使ってくれました。初めてお会いされる方もいたので私がそそれぞれの方々を紹介し、その後ご本人から自己紹介してもらいました。元気だった東大森さんが垣間見えます。】

先妻の長男.JPG


【この時は先妻との子・長男も来てくれました。】

音楽館で(正面).JPG


【和やかなムードで進んだ「旧友との再会」。いっぱいお世話をかけてしまいました。こんなことが体に響いたのではないかと気になるところです。】

東大森さんと最初お会いしたのは私が30代半ばのころだと思います。熊本県建築士会の青年部会で相談委員会に属し(のちに委員長)、地元日刊紙で「暮らしのけいざい」というコラムを4人輪番で月一回連載した頃です。私も東大森さんも4人のメンバーでした。彼女はそのころでは珍しい女性建築士で、いろいろなメディアに登場していたので有名人でした。

印象深かったのは、打ち合わせで当時彼女の事務所(熊本市の手取神社の参道)に行ったとき見た藤崎八幡宮秋の大祭の馬追いの時着ていた法被姿の写真。それは、それは意気が良くカッコよかったです。

当時、女性建築士は少なく、周りの目も厳しかったと思います。しかし彼女は建築士会の会議や会合でもどんな相手でも意見ははっきり言っていました。彼女にあこがれて建築士になった女性も多いかと思います。

私は事情があって熊本市を去り、再び同じ県内の人吉市矢岳町に移住した時も熊本市内から数時間かけて会いに来てくれました。再婚した妻が沖縄出身だと知って沖縄の郷土料理の「ミミ―ガー」(豚の耳の肉の千切)を持参してくれました。

その後志した「県知事選挙」に出馬する時も、一番先に寄付してくれました。「竹を割ったような性格」の方です。一方で選挙ポスターを数十枚も掲示板に張る作業もしていただきました。
今更ながら感謝申し上げます。

出身大学の長崎総合科学大学の後輩である永本さんや瀧沢さんを見送る運命になったことは、精神的に相当な打撃だったことと思います。その永本さんも矢岳の家に来てくれましたが、訃報を聞いても沖縄から駆けつけることができませんでした。母の十三年忌が今年なので、帰熊することになったら、皆さんのお墓参りをしたいと思っています。

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【生前、紹介した「熊本で一番おいしいラーメン」と紹介した「新華楼」のラーメン。かつて事務所を手取本町から島崎町に移されました。そこは西山中学校(せいざんちゅうがっこう)の校区。私の中学時代の校区。熊本には珍しい透明スープであっさり型。是非食べてください!とお願いしましたが、果たして何回味われただろう?「おいしかったよ!」と聞いたような気がします。】

近年は熊本県和水町(なごみまち)三加和小中学校の設計(木造校舎)で農林大臣賞などを受賞されています。私とは設計での接点はほとんどありませんでしたが、建築士会を通した活動や友人関係としてのお付き合いに限られていました。私のブログも見ていただいていたらしく、「お月様のことは詳しいわね。読んでるよ。」とおっしゃっていただいたこともあります。

生涯独身を通された東大森さんですが、我が家の子どもたち10人にはとてもやさしく接していただきました。(家族の子どもさんにもそうですが・・)

「気丈に生きる女の印象」が強いかと思います。しかし、東大森さんの心の中には親御さんから伝授されている心の優しさや気遣いが溢れていました。
電話で心配事を相談すると、喉の手術後、出しにくくなった声を絞り出して「大丈夫よ!心配しないで!」と励ましてくれました。本当に惜しい方を亡くしてしまいました。

最後まで孤独の中で「病魔」と闘われました。東大森さんから学んだ強い意志と優しい気持ちを忘れず、残りの人生を生き抜きたいと思います。

東大森裕子さん、ありがとうございました。どうぞ安らかにお眠りください。合掌。

故 東大森裕子様 令和5年2月1日 ご逝去。享年72歳。

あの顔の広い東大森さんが家族葬にされたというのには、さまざまなご本人、ご遺族のお考えがあるかと存じます。しかし私自身がご逝去後1週間も知らずに手を合わせることもできなかったことを思うと、誰かが静かにお伝えすることは必要かという思いで書き綴りました。ご遺族の皆様には謹んでお悔やみ申し上げます。
くれぐれもご遺族に迷惑の掛からないように、よろしくお願いたします。
posted by 塾長 at 17:28| 教育・子育て